日本放射線腫瘍学会/第37回学術大会の概要と肺がんへの最先端治療技術を紹介(24.1010)
日本放射線腫瘍学会(JASTRO)は9月19日、トラストシティ カンファレンス京橋(東京・中央区)で、学術大会前の恒例のプレスカンファレンスを開催した。今回は「肺がんへの放射線治療」をテーマに、同学会の主要メンバーが講演を行った。
初めに、同学会理事長の宇野 隆氏(千葉大)が挨拶し、放射線治療の現状と学会について「女性は就労世代の乳がん・子宮頸がんが、男性は中高齢者層の肺がん・前立腺がんが増加している」とがん患者の最近の傾向を紹介。就労期女性と高齢者を中心に放射線治療の貢献はさらに期待されると指摘。また、最近の学会の活動を紹介した後、放射線治療と医療費の現況について説明した。
次に、11月21日~23日の3日間、パシフィコ横浜 ノース(横浜市西区)で開催される日本放射線腫瘍学会第37回学術大会の大会長である大西 洋氏(山梨大)が同大会のハイライトを紹介。同大会のテーマである「至誠慧眼」の由来について「患者満足度を高めるために必要な“至誠”と、常識や従来のエビデンスを見直して新しい発想で実践する“慧眼”を組み合わせた造語をテーマに掲げた。近年、放射線治療にとって最も重要な点は、患者さんの希望や人生哲学に寄り添った高度な医療を提供するPGRT(patient-guided radiotherapy)であり、今回の学会ではPGRTについて議論を深めたい」と述べた。
また、同学会 理事の岡嶋 馨氏(近畿大)が「肺がんに対する体幹部定位照射」について、同じく理事の櫻井英幸氏(筑波大)が「肺がんの粒子線治療」について、同じく理事の井垣 浩氏(国立がん研究センター中央病院)が「肺がんへの強度変調放射線治療」について説明し、 肺がんに対する放射線治療の有用性を示した。