清水建設/医療施設 DX システム「eye MIRU」で外来診療業務を効率化(24.8.27)
清水建設と社会医療法人誠光会はこのほど、外来診療業務の効率化に寄与する医療施設 DX システム「eye MIRU」を、誠光会が運営する淡海医療センター(滋賀県草津市)で 4 か月間実証運用し、病院職員の生産性向上、外来患者の利便性向上など、所期の導入効果を確認した。清水建設は本年 9月から、本システムの普及に向けて、医療機関への営業活動を開始する。
昨今、日本の医療業界は、いわゆる団塊の世代が後期高齢者となる 2025 年を前に医療需要が拡大する一方、労働人口の減少に伴い医療従事者が減少するという課題を抱えている。本システムは、清水建設が開発した建物 OS「DX-Core」で建物設備の稼働状況や、ヒト位置データを取得し、電子カルテや会計情報の医療系システムデータと連携させることで、患者の利便性向上、職員の生産性向上を図る。
本システムの機能のひとつである Patient Flow Map では、予約・受付システムの情報や、電子カルテから取得する診察の進捗、会計待ち人数等のリアルタイムな情報から、当日の時間帯ごとの繁忙状況を予測し、可視化する。これに加えて、患者の待ち時間の大きな要因である会計の滞留状況把握に特化した Accounting Status や、職員の勤務情報から外来の診療科ごとのタスクを可視化する Staff Information、ビーコンを用いて取得した職員の位置情報等を活用することで、適正な職員配置をサポートする。そのほか、病院各所に設置したカメラの映像から、エレベーターや待合室の混雑状況を AI で解析し、エレベーターの運用や空調、照明を自動で制御する機能も備えている。
これらの機能によって、繁忙状況予測に対して職員配置を先回りさせることが可能になり、本年 4 月から 7 月の実証運用では患者の会計待ち時間が約 50%短縮され、職員の残業時間は約 30%削減された。また、例えば面積 200 ㎡の待合では、設備の自動制御によって年間約 200 万円程度の省エネ効果が期待できることを確認した。
両者は今後も共同でソリューションサービスの機能拡張を進め、単独病院のみならず、地域の医療体制全体の DX 化に寄与していく考えである。
問い合わせ=
清水建設 コーポレート・コミュニケーション部
TEL:03-3561-1186
社会医療法人誠光会 法人広報課
TEL: 077-563-8866