NEC Bio TherapeuticsとAGC Biologics/臨床試験を進める個別化がんワクチンの製造で提携(24.8.8)
NECグループでAIによる創薬の臨床開発を手掛けるNEC Bio Therapeutics(NECバイオセラピューティクス)と、AGCグループでバイオ医薬品および遺伝子・細胞治療薬の開発・製造受託を担うCDMOサービスを手掛けるAGC Biologics(AGCバイオロジクス)は、NECグループが開発しているバクテリアベースの経口投与型ワクチン「NECVAX-NEO1」の臨床試験用ワクチン製造に関して提携した。本提携は、両社が有するバイオテクノロジーの強みを生かし、個別化がん治療の実現に向けた臨床試験用ワクチンの生産体制を強化することを目的としている。
NEC Bio Therapeuticsは、NECグループが開発している最先端のAIと機械学習技術を用いた個別化がんワクチンNECVAX-NEO1の臨床開発を行っている。NECVAX-NEO1は、患者ごとに異なるがん細胞特有のネオアンチゲンを標的にするように設計されている。また、強力かつ操作性に優れたバクテリアベースのプラットフォーム技術を活用しており、経口投与のため患者への負担が少ないのが特徴である。従来のがん治療薬と異なり、本ワクチンはオーダーメイド方式の製造能力を必要とし、効率的な微生物発酵により小規模かつ短期間で製造される。
本ワクチンは、2024年から2025年にかけて新たな第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を開始する予定。本臨床試験は、この新しい治療法の有効性と安全性を検証する上で重要な役割を果たし、がんと闘う多くの患者に希望を届けられる可能性がある。
AGC Biologicsは、AGCグループにおいて、動物細胞・微生物を用いたバイオ医薬品、遺伝子・細胞治療薬、プラスミドDNA、メッセンジャーRNAのCDMOサービスを、日米欧3極からグローバルに提供している。AGC Biologicsは、約40年にわたり培った微生物培養に関する豊富な実績と最先端の技術の基、NECVAX-NEO1の臨床試験に用いるワクチンの製造・供給を担う。NEC Bio Therapeuticsからの効率的な技術移転、分析手法の確立、小規模から大規模までのフレキシブルな製造と品質管理をGMP準拠の高度な体制で実施し、NECVAX-NE01の開発に貢献する。
今回の提携では、ドイツにおける臨床開発とGMPに準拠した製造を中心に開始する。AGC Biologicsはドイツのハイデルベルク、NEC Bio Therapeuticsは同国のマンハイムに戦略的にチームを設置しており、近接した環境も生かして、この重要なイニシアチブを推進するための協力体制を構築する。
問い合わせ=NEC AI創薬統括部
E-Mail:contact@aidd.jp.nec.com