GEヘルスケア/AWSと生成AIで医療変革を加速する戦略的協業を発表(24.8.2)

・GE ヘルスケアは、AWSを戦略的クラウドプロバイダーとして選定し、革新的なヘルスケア・アプリケーションの開発を促進するべく新たに設計された専用基盤モデルを提供する。
・GE ヘルスケアはAWSによる機械学習と生成AI技術を活用することで臨床用基盤モデルを訓練・展開し、医療従事者の業務ワークフローの改善、患者へのケアの質向上を支援する。

 シカゴ – 2024年7月25日 – GEヘルスケア(Nasdaq: GEHC)とAmazon.com, Inc(Nasdaq: AMZN)傘下のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は8月1日、臨床医による診断と患者へのケアの質を向上させる基盤モデルと生成AI活用アプリケーションを開発するための戦略的協業を発表した。GEヘルスケアは、戦略的クラウドプロバイダーとしてAWSを選び、同社のヘルスケア向けITインフラおよび生成AIサービスを活用することで、ヘルスケアの変革を目指す新たな基盤モデルを構築・実装する予定。これらの新しい生成AIを活用したワークフローは、医療業務の効率化、診断とスクリーニングの精度向上、アウトカムの向上、アクセスの向上、必要とされるケアの提供を促進することが期待される。これにより、医療従事者の負担軽減とヘルスケアにおけるイノベーションを加速させることが期待されている。
 GEヘルスケア社長兼CEOを務めるピーター・アルドゥイーニ氏は、次のように述べている。「GEヘルスケアは1世紀を超えて医療技術のパイオニアとして貢献してまいりました。世界の10億人を超える患者さんが私たちの製品を使ってくださっていることから、GEヘルスケアは医療の質の向上において重要な役割を果たしてきたと考えています。引き続きプレシジョン・ケアの実現を目指し、可能性の限界に挑戦してまいります。この度のAWSとの協業を通じて、臨床における医師のワークフローと患者さんへのケアの提供に変革をもたらすべくAIを通じて医療技術の創造を促進し、革新の歴史をリードしてまいります。」
 GEヘルスケアは、業界をリードする基盤モデルへのセキュアなアクセスを提供するフルマネージドサービスであるAmazon Bedrockを活用する。これを通じてカスタマイズされた生成AIアプリケーションを構築・展開し、お客が生成AIを活用することで得られるメリットを拡大していく。GEヘルスケアは、Bedrockのエンタープライズグレードのセキュリティとプライバシー、業界をリードする幅広い基盤モデルを活用し、効率性、ケア提供、患者さんの体験の質向上を目的とするヘルスケアでの活用に向けに、独自の生成AIアプリケーションを構築・拡大していく予定。
 AWSのマット・ガーマン最高経営責任者は、次のように述べている。「GEヘルスケアはAWSと共にクラウドを活用し、よりパーソナライズされたインテリジェントで効率的なケアを提供していきます。GEヘルスケアは、生成AIを革新の中核に据えており、ヘルスケアに特化したクラウドサービス、最高レベルのセキュリティ、データプライバシー、最新の基盤モデルへのアクセスを提供する生成AI機能に投資しており、今後も加速していくとのことです。AWSは戦略的クラウドプロバイダーとして、ヘルスケア業界において革新的な臨床用基盤モデルとアプリケーションを構築できるようGEヘルスケアを支援していきます。」
 GE ヘルスケアの開発担当チームは、リアルタイムでのコード提案の生成や安全なタスクの完了などにより、ソフトウェア開発を加速させる生成型AIの搭載をアシストするAmazon Q Developerを活用する予定である。また、医師の負担を軽減および個別化ケアの効率的な提供を目指し、マルチモーダルな臨床データと業務データの最適交差を目指しAmazon Q Businessの使用を検討している。GEヘルスケアは、AWSの生成AI技術を活用することで、臨床アプリケーションの開発サイクルを数年から数ヶ月に短縮し、新たなヘルスケアソリューションの提供を加速するよう取り組む。
 さらにGEヘルスケアは、機械学習(ML)モデルを構築、訓練、展開するためのフルマネージドサービスであるAmazon SageMakerで開発された独自の基礎モデルにより、一連のアプリケーションの近代化を予定している。同社は、医療での活用に特化した独自の基盤モデルを開発することで、ウェブベースの医療用画像処理アプリケーションの開発と展開を加速し、これらの基盤モデルを統合することで、同社の機器やソフトウェアソリューション全体の効率性、相互運用性、ユーザーエクスペリエンスの向上を図る。顧客は、AWS HealthLakeおよびAWS HealthImagingと統合されるGE ヘルスケアの生成AI搭載アプリケーションを使用して、さまざまな種類の患者のデータを迅速かつ安全に分析し、臨床効率の向上と患者ケアの改善につなげることができるようになる。
 医療セクターは、世界のデータ生成の約30%を占めているが、そのうちの97%は非構造的な性質のためにほとんど活用されていない。この協業は、膨大な非構造医療データ(電子カルテ、報告書、画像など)を分析し、さまざまな医療アプリケーションに対して正確で適応性のある洞察を提供することを目的としたマルチモーダル基盤モデルの開発に焦点を当てる。従来の機械学習とは異なり、これらのモデルはさまざまな疾患やタスクを同時に解釈できるように構築される。
 GEヘルスケアは長年AIに投資してきました。米国食品医薬品局(FDA)のAI対応機器認可リストでは、同社が3年連続でトップとなり、その数は72にのぼった。最近の基礎モデル研究としては、高度な超音波画像セグメンテーションツールに焦点を当てたプロジェクトがある。基礎モデル技術を活用したこの研究ツールは、90%以上の精度で解剖学的構造を分離・同定する優れた能力を実証しており、人間の入力をほとんど必要としない。このツールの主な特徴は汎化能力であり、基礎モデルの初期トレーニングセットには含まれていなかった胎児の頭部や乳房病変などの解剖学的構造をセグメンテーションすることができる。この高度な機能は、このモデルが当初トレーニングされたケース以外の用途にも適用できることを示している。

問い合わせ=GEヘルスケア・ジャパン
https://www.gehealthcare.com/


その他の記事

AMDD/「経済財政運営と改革の基本方針2025」に向けた提言を提出(25.3.26)

 一般社団法人米国医療機器・IVD工業会(AMDD:American Medical Devices and Diagnostics Manufacturers’ Association、所在地:東京都港区)は、イノベーションを推進し、質の高い医療を提供し続けるために官民一体となって取り組むことを目指して、本年度の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に向けて以…

【大阪ヘルスケアパビリオン】3/23(日)内覧会・開館式を開催(25.3.24)

2025大阪・関西万博「大阪ヘルスケアパビリオン」内覧会と開館式を、2025年3月23日(日)、大阪夢洲(ゆめしま) にて開催した。 内覧会では、パビリオンの目玉コンテンツである「リボーン体験ルート(健康データをもとに生成された25年後の自分(アバター)とミライのヘルスケアや都市生活を体験)」をはじめ、中小企業や…

HITO病院とNTT Com/テレビを活用した訪問看護のオンコール業務効率化の実証を開始(25.3.10)

 社会医療法人石川記念会HITO病院(以下 HITO病院)とNTTコミュニケーションズ(以下 NTT Com)は、高齢者が慣れ親しんでいる自宅のテレビを活用した訪問看護のオンコール業務効率化に関する実証(以下 本実証)を2025年3月より開始する。本実証では、チカクが開発し、NTTドコモが提供するビデオ通話サービス「ちかく」を活用し…

長崎大学/NECのAIを用いて実施する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ワクチンの研究開発に、CEPIによる資金拠出が決定(25.3.10)

 長崎大学感染症研究出島特区は、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ワクチンの研究開発に向けて、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI: Coalition for Epidemic Preparedness Innovations)から研究開発支援を受けることが決定した。CEPIからの資金拠出は最大7億5千万円であり、長崎大学が保有する知的財産であるワクチン…

島津製作所/世界初、小型化に成功した光格子時計を発売開始(25.3.6)

 島津製作所は、3月5日に18桁精度に相当するストロンチウム光格子時計「Aether clock OC 020」(イーサクロック、以下、本製品)の受注を開始した。光格子時計は原子時計の一種で、現在の「秒」の定義の基準となっているセシウム原子時計に対して100倍以上の精度を実現する。18桁精度は100億年に1秒の誤差に相当し、光格…

保健医療福祉情報システム工業会/創立30周年記念講演会・賀詞交換会を開催(25.2.21)

 一般社団法人保健医療福祉情報システム工業会(以下、JAHIS)は、1月22日、東京會舘(東京・千代田区)で、昨年4月に迎えた創立30周年を記念し、特別講演会と賀詞交換会を行った。  第1部の冒頭、総務会長の下山赤城氏は、「1994年の発足当初172社だった会員が現在386社に増えた。この30年で大きく変化した情報化社会…

2025年日本国際博覧会大阪パビリオン/大阪ヘルスケアパビリオンでの体験をより豊かにするアプリ 2025年2月13日(木)より提供開始(25.2.13)

 公益社団法人2025年日本国際博覧会大阪パビリオンは、2025大阪・関西万博の開幕2ヶ月前にあたる2025年2月13日(木)より、パビリオンの展示体験をより楽しめるスマートフォンアプリ「大阪ヘルスケアパビリオン公式アプリ」をリリース。 ダウンロードURL: 【iOS】 https://apps.apple.com/jp/app/id6670754800 【A…

アライドテレシス/安定性と信頼性の高い無線LAN環境を提供、JMSの輸液ポンプとの安定運用を実証(25.2.13)

 アライドテレシス(本社 東京都品川区)は、ジェイ・エム・エス(本社 広島県広島市)の協力のもと、同社製Wi-Fi 6対応無線LANアクセスポイト「AT-TQ6702 GEN2」と病院向けの輸液ポンプ「キュアセンス®IP-100」と「キュアセンス®輸液ポンプI P-100外部連携用通信ソフト」の接続検証を実施した。  ジェイ…

富士フイルム/World Cancer Dayへ協賛(25.1.30)

 富士フイルム(本社:東京都港区)は、国際対がん連合(UICC: Union for International Cancer Control)が主導する「World Cancer Day(世界対がんデー)」に、Visionary Partner(ビジョナリーパートナー)として2025から2027年までの3年間、協賛する。  毎年2月4日に定められているWorld Cancer Dayは、世界中でが…

島津製作所/世界最大級のAIコンペティション「Kaggle」で金メダルを獲得 上位1%に相当する「Kaggle Master」に昇格(25.1.27)

 島津製作所の分析計測事業部技術部イメージングGの金本和樹が、世界最大のAIのコンペティションプラットフォーム「Kaggle(カグル)」の「Child Mind Institute — Problematic Internet Use」(以下、本コンペティション)に単独で参加し、金メダルを獲得した。参加者3559チームのうち、8位に入賞し、コンペティション参…

富士フイルム/健診サービス事業の新拠点「NURA Global Innovation Center(ニューラ グローバル イノベーション センター)」をインドに開設(24.12.25)

 富士フイルム(本社:東京都港区)は、12月24日、健診サービス事業の新拠点「NURA Global Innovation Center(ニューラ グローバル イノベーション センター)」をインドのケララ州にあるコジコードにオープンする。今回オープンする「NURA Global Innovation Center」は、がん検診・生活習慣病検査サービスを提供する健…

第44回医療情報学連合大会/3800名以上の参加者が「デジタルヘルスの新未来」を論じあう(24.12.20)

 第44回医療情報学連合大会(第25回日本医療情報学会学術大会)が2024年11月21~24日、福岡国際会議場・福岡サンパレス(福岡市博多区)で開催された。大会長は中島直樹氏(九大)。同大会は、現地開催に加えオンライン配信を含むハイブリッド方式による開催となった。  22日に行われた開会式では、大会長の中島氏が挨…

米盛病院&シーメンスヘルスケア/高度な医療提供により地域貢献目指すパートナーシップ締結(24.12.20)

社会医療法人緑泉会とシーメンスヘルスケアは11月12日、緑泉会 米盛病院 米盛ラーニングセンター(鹿児島市)にて合同記者発表会を開催。両者が高度な医療提供による地域への貢献を目指し14年間のパートナーシップを締結したことを発表した。  冒頭、シーメンスヘルスケア代表取締役の櫻井悟郎氏が登壇し、「シーメンス…

NEC/医療DX推進を目指し「ヘルスケア生成AI活用プラットフォーム」を提供開始(24.12.20)

 NECは、病院経営の最適化や持続可能な地域医療の実現に向けた医療機関及び、関係機関におけるDX推進を目指し、地域医療における生成AI早期実装を支援する「ヘルスケア生成AI活用プラットフォーム」を2025年2月から順次提供開始する。また同時に、本サービスの拡充と新たな価値創造を様々なパートナーとともに実現する「B…

NEC/経口投与型の個別化がんワクチン「NECVAX-NEO1」の第Ⅰ相臨床試験の中間結果をESMO免疫腫瘍学会2024で発表(24.12.12)

 NECグループでAIによる創薬の臨床開発を手掛けるNEC Bio Therapeutics (NECバイオセラピューティクスは、固形がんにり患した患者を対象に、経口投与型の個別化がんワクチン「NECVAX-NEO1」と免疫チェックポイント阻害剤(CPI)を併用した第Ⅰ相バスケット臨床試験を実施している。同社はこのたび、ワクチン投与24週間後の…

TOPへ