麻生とNEC/生成AIを活用して病院経営を支援する「病院経営マネジメントサービス」の実証実験を開始(24.5.30)
麻生のグループ病院である麻生 飯塚病院(以下 飯塚病院)とグループICT企業である麻生情報システムと日本電気(以下 NEC)は、飯塚病院の経営データをAIで分析し、その結果をもとに生成AIを活用して経営判断を示唆する「病院経営マネジメントサービス」の実証を本年4月から開始した。これは麻生とNECの、地域医療を支え持続可能な病院経営目指す「ホスピタルマネジメント構想」実現に向けた共創活動の一環となる。
近年、少子高齢化が進行しており、医療需要は拡大している。一方で、感染症への対応、物価・人件費の高騰等の影響で、地域医療を支える病院の経営環境はますます厳しくなっており、病院の再編や統廃合が進んでいる。更に、医師の働き方改革や本年6月に施行となる令和6年度診療報酬改定など、取り巻く環境の激しい変化に対応しつつ、持続可能な病院経営を実現するため、病院は効率的かつ効果的な医療提供体制の構築と経営効率の改善が求められている。
そこで2社は、地域医療を支え、持続可能な病院経営目指す「ホスピタルマネジメント構想」の実現に向けて共創を開始した。今回の実証では、飯塚病院の様々な経営データを収集し、麻生の経営コンサルティング力に、NECが医療現場への適用を進めてきた生成AIなどの新たなテクノロジーを組み合わせたサービスについて、病院における業務効率化と経営改善の有効性を検証する。それにより、病院が十分かつ迅速に活用出来ていない経営データを収集し、AIを用いてリアルタイムに経営判断し課題解決するサービスの社会実装、そして日本の医療DX推進への寄与を目指す。
実証実験の概要
1:背景:現在多くの病院では、経営改善に向けた施策を実施するためのデータ集計・加工・分析に時間を要するとともに、その分析が個人のスキル・経験に依存している。
2:実証内容:
過去15年分の飯塚病院の入院日数や病床稼働率などの経営指標データや診療関連情報とNECが提供するAIデータ分析基盤「dotData」を活用し、病院経営指標の予測を実施します。その予測値と実績値の差異に関する要因を短時間で自動的に抽出してランク付けを行う。さらに、そのランキングが高い要因に関わる診療行為や患者様の特徴を分析し、詳細な情報や改善アクションを生成AIが提案する。これにより病院は、経営状況の可視化や傾向分析のスピードアップ・精度向上が可能となり、適切なタイミングで対策を打つことが可能となる。
3:期間:2024年4月から7月
なお、NECは「ホスピタルマネジメント構想」実現に向けた共創の一環として、本年6月から麻生情報システムが開発した経営データのリアルタイムな可視化を実現する「診療状況照会システム」を、NECの「Cloud Gateway」を通じて提供する。さらに、本実証の成果を踏まえ、「病院経営マネジメントサービス」を2024年度下期中に提供開始することを目指す。
問い合わせ=NEC コーポレートコミュニケーション部
TEL:080-8821-9988