日立製作所/ニプロの再生医療等製品「ステミラック®注」を対象に バリューチェーン統合管理プラットフォームのサービス提供を開始(24.5.29)
日立製作所(以下、日立)は、ニプロ向けに、同社の再生医療等製品「ステミラック® 注」の供給管理で用いる「再生医療等製品バリューチェーン統合管理プラットフォーム/Hitachi Value Chain Traceability service for Regenerative Medicine(以下、「HVCT RM」)」のサービス提供を2024 年 5 月より開始した。
ニプロは、脊髄損傷に対する再生医療等製品である「ステミラック®注」を 2019 年より製造・販売しており、バリューチェーン全体の細胞・トレース情報を一元管理できる日立の Lumadaソリューション「HVCT RM」がこのたび採用された。
「HVCT RM」は細胞の採取から患者への投与に至る全工程において、細胞の情報や製品の製造スケジュール、各工程の進捗状況などを入力することにより、個体ごとにトレース・情報共有できるプラットフォームで、日立はこれを独自の秘匿化・仮名化技術でセキュリティ性能を高めたクラウドサービスとして提供している。これにより、管理システムの拡張が容易になるとともに、高信頼なトレーサビリティ、バリューチェーンの最適化、および業務効率化を実現する。
■「HVCT RM」の特長
・再生医療等製品の供給・流通に関わる複数のステークホルダー(製薬企業、CMO/CDMO、医療機関、物流企業など)が、患者・細胞の情報、製造スケジュール、業務の進捗状況などを「HVCT RM」に入力することで、業務フローの実績と予定をシステム上で可視化する。これにより、後工程のスケジュール調整の迅速化が図れる。
・日立のデジタルツイン化ソリューション「IoT コンパス」を活用してサプライチェーンをデジタル空間に再現し、さまざまなステークホルダーによりサプライチェーン上で発生する業務の「つながり」を独自のモデルを用いて可視化する。これにより、細胞採取から製品のトレーサビリティを実現し、品質・安全の確保に貢献する。
・複数ステークホルダーを経由して患者に届く再生医療等製品では、トレーサビリティ管理の徹底が求められる。ステークホルダーが「HVCT RM」を操作するタイミングにおいて、モノに貼られているバーコードとシステム上での ID を照合することで、細胞採取から投与までにおけるトレーサビリティ管理体制を支援する。
・システムにデータが集約・一元管理されるため、従来、電話・メールや書類で行っていた業務・企業間連携の煩雑さを軽減する。
・個人情報保護法の対象として適切な管理が求められる「患者属性情報」や「検査結果」は、日立の秘匿化・仮名化技術を活用し、セキュアな情報管理を実現する。
問い合わせ= 日立製作所 インダストリアルデジタルビジネスユニット
https://www8.hitachi.co.jp/inquiry/it/industry/general/form_input.jsp