キヤノンメディカルシステムズ/Meaningful innovation. Made possible.
キヤノンメディカルシステムズは、「Meaningful innovation.」をテーマに、AIソリューションブランド〈Altivity〉のもとに集結したAI技術を開発、それらを搭載した各種製品を展示。同ブランドがもたらす臨床、運用、経営の価値とともに、最新技術を搭載した製品や様々なソリューションを紹介していた。
●AIソリューションブランド〈Altivity〉
キヤノンメディカルシステムズでは、AI技術がより高度化。画像再構成技術「PIQE」について、心臓領域だけでなく、肺や腹部領域の診断にも利用可能になるなど、装置における検査等の領域が拡張している。
血管撮影装置の分野でもAI対応の装置を初展示。リアルタイムで透視画像を高画質化する技術などが展示されている。また、診療所向けのCT等にもAI技術を搭載して欲しいという要望が多いことから、それに対応した機種の開発も順次行っているという。
●【初出展】血管撮影装置「Alphenix / Evolve Edition」
2023年8月に発売された血管撮影装置「Alphenix / Evolve Edition」が初出展された。同装置は、冠動脈領域をターゲットに開発されたもので、同製品にはAI技術による画像処理技術「αEvolve Imaging」を搭載。ノイズ成分と被ばく線量の低減を高いレベルで両立させ、かつリアルタイムでの画像処理を実現。透視画像ながらも撮影画像に近い高画質を描出できる。
また、心電図波形に同期して任意のタイミングでX線を照射する「ECG Sync」機能を搭載。心拍動の影響を抑え、動きの少ない画像を描出、安全で確実な治療環境を提供する。
血管撮影装置「Alphenix / Evolve Edition」
●【新製品】高精細エリアディテクタ―CT「Aquilion ONE / INSIGHT Edition」
CTでは、昨年11月末のRSNAで発表された高精細エリアディテクタ―CT「Aquilion ONE / INSIGHT Edition」が展示された。同装置はガントリのデザインを一新。本体に2台のカメラを内蔵し、被検者を検知して最適なポジショニングを自動で行うほか、操作もタッチパネルで実施することでより直感的な操作性を実現。
また、画像に関しては、AIによる画像処理技術「PIQE」が利用できる領域について、心臓領域から胸部・腹部領域に拡大。高精細データについて1024×1024マトリックス再構成に対応、より高画質な画像を描出する。さらに、ディープラーニングを用いて設計されたモーションアーチファクト低減技術「CLEAR Motion」を搭載。肺野の領域をターゲットとして、心臓の拍動によるアーチファクトを低減する。
また、新型検出器と新型X線管球を新たに開発。X線管球は、低管電圧撮影と高出力撮影が可能となっている。低管電圧については、従来の最低80kVから70kVに下げることができ、出力については最大1400mAまで出せることから、造影剤や被ばく線量の低減などが可能となる。新型検出器は、従来型検出器に比べ約40%の電気ノイズが低減するため、従来同等のデータを収集する際に必要な被ばく線量が低減し更なる低侵襲検査を可能にしている他、X線管球・検出器共に耐G性能を高めており、1回転0.24秒を実現している。
この他、CTブースでは80列マルチスライスCT「Aquilion Serve」を出展。多くの来場者が集まり、CTブースは活況を呈していた。
高精細エリアディテクタ―CT「Aquilion ONE / INSIGHT Edition」㊧と
80列マルチスライスCT「Aquilion Serve」
●【初出展】3T MRI「Vantage Galan 3T / Supreme Edition」
MRIブースでは、3T MRI「Vantage Galan 3T / Supreme Edition」を出展した。同MRIは、マグネットを内製化した装置で、AIによるSNR向上化技術「AiCE」を搭載。画像解像度を3倍に高めることが可能で、これまで難しかった高精細画像が得られる。従来と同じ分解能の画像であれば、大幅に撮像時間を短縮することができる。また、同装置に搭載している画像処理技術「PIQE」の適用範囲が拡大し、2Dのほとんどのシーケンスに使用することが可能になったことからこれまで以上にさまざまなシーンにおける検査に貢献する。
3T MRI「Vantage Galan 3T / Supreme Edition」
●ワイヤレスFPD「CXDI-Elite」
X線画像診断装置のブースではDR「CXDI-Elite」を展示。さらに、ITEMでは初展示となる一般撮影装置用の新機能「Camera Assist」を展示。同機能は、X線管球側にカメラを設置。操作室から曝射前の被検者の状態やポジショニングを見ることができるライブビュー機能や、RISから取得したプロトコルと実際の撮影前のプロトコルが合っているかを確認するためのプロトコル整合判定機能を有し、安全・正確な検査の実施に貢献する。
一般撮影装置用の新機能「Camera Assist」
●超音波診断装置「Aplio i-series」
超音波診断装置ブースでは、AIソリューションブランド〈Altivity〉の「3rd Harmonic Imaging」技術を搭載した「Aplio i-series」を出展した。AI技術によって超音波の3次高調波を受診し、多重反射、管腔内のノイズを低減して管腔周辺組織構造を明瞭化したBモード画像を描出できる。
また、2023年10月に販売を開始した超音波診断装置「Aplio me」をITEMで初出展した。同装置は、高性能とコンパクトさを両立させることを目指した装置で、ハイエンド装置の画質を維持しながらアプリケーションも多機能性のあるものを搭載。肝臓の線維化を調べるShear wave elastographyや、肝臓の脂肪の程度を調べるAttenuation Imagingも可能である。
さらに、同装置と同じタイミングで販売を開始した新しいリニアプローブ「PLU-805BT」を搭載できる。同プローブは、1本のプローブで血管から表在まで、深い領域から浅い領域までカバーすることができる。
超音波画像診断装置「Aplio i800」㊧と「Aplio me」