富士フイルム/新製品発表会─同社のMRI開発の強みを訴える(24.4.22)
富士フイルムは、4月8日、富士フイルムヘルスケアショールーム「ヘルスケアフォーラム柏」(千葉・柏市)で、MRIシステムの新製品発表会を行った。
冒頭、同社の鍋田敏之氏(※)は、ヘルスケア事業の実績を「2022年度のグループ売上高は2兆8590億円で、4つの分野中ヘルスケアは9279億円とトップであり、またその内メディカルシステムが67%の6111億円を占める。2025年度には7000億円を目指す」と紹介。
続けて「IT・AI技術を中心に据え、多様な製品ポートフォリオとの連携を加速し、富士フイルムにしか実現できない価値の創出を目指す。その中核にあるのが世界トップシェアのPACS『SYNAPSE』だ。なお、AIは2018年の『ReiLI』発表以来、矢継ぎ早に同技術を活用した製品を投入し、新たな価値を創出してきている」とIT・AI技術への取り組みを解説。
また、「同技術での富士フイルムグループの強みは、①90年にわたり磨き続けてきた画像処理技術、②グローバル展開を見据えた研究開発体制、③多彩なIT・AI人材を有する開発チームにある」とした。同氏は、その代表的な製品を3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT」とし、「現在、CT画像からほぼ全身を網羅した臓器セグメンテーションを確立しており、このノウハウを生かしてMRIの臓器セグメンテーション技術を効率的に開発する」と述べた。
続けて、同グループのMRIの現況と新製品2機種を紹介した(当日、発表された「ECHERON Smart ZeroHelium」ならびに「ECHERON Synergy」については、本号60頁、61頁の「ショウルーム」を参照)。
最後に、同社のMRI開発の方針として、①全ての超電導MRIをゼロヘリウム化し、ヘリウムに依存しない新たな運用の実現、②IT・AI技術の応用で検査ワークフローの更なる進化の実現、によりMRI市場でのゲームチェンジを狙うと述べた。
鍋田敏之氏
※富士フイルム 執行役員 メディカルシステム事業部 メディカルシステム開発センター長 兼 ITソリューション部長/富士フイルムヘルスケア 取締役 専務執行役員