第35回関東医療情報技師会/診療情報標準化の重要性を各分野から改めて訴える(24.4.22)
関東医療情報技師会は、4月6日、東京医科大学病院9階 臨床講堂(東京・新宿区)において、第35回関東医療情報技師会を開催した。「関東医療情報技師会」は、年に4回程度、勉強会を開催しており、その35回目となる。今回は医療情報技師だけでなく、ベンダや医療関係者にも広く門戸を開放した勉強会であり、約150名が参加した。テーマは、医療DX推進で重要な課題である「診療記録標準化の実際と方向性」。
第1部では、中島直樹氏(九州大学病院)が「複数医療機関での診療情報の標準化」と題して講演。診療情報の標準化の重要性を述べた後、「政府は2045年頃にDXを達成するため、2030年度までに全国医療情報プラットフォームの構築を推進している。日本は海外に対してデジタル化が遅れていると言われているが、DXの勝負はこれからだ。超少子高齢社会、災害大国等のピンチをチャンスに変える」と述べ、現在、国内で標準化が進められている2文書6情報の標準化の有用性を説明した。
さらに、今後の方向性の1つとして、Learning Health System(LHS)の事例であるクリニカルパス標準化事業(2018~2020年度AMED ePath事業)を紹介。加えて、EHR-PHR連携基盤へのLHSの活用についての構想を披露した。
第2部以降は、同テーマに対して医師の立場から渡邉 直氏(医療情報システム開発センター)が、看護師の立場から宇都由美子氏(鹿児島大学病院)が、薬剤師の立場から池田和之氏(奈良県立医科大学附属病院)が講演。各視座から、診療記録の標準化の重要性と現状における課題、今後の方向性について持論を主張した。