キヤノンメディカルシステムズ/医療AI事業展開の方針と今後の方向性を示唆(24.4.22)
キヤノンメディカルシステムズは、4月5日、キヤノンマーケティングジャパン本社Sタワー(東京・港区)にて、メディア向けに「医療AIに関するラウンドテーブル」を開催した。
同ラウンドテーブルでは、ヘルスケアIT事業統括部部長の布施雅啓氏が、「医療業界を取り巻く環境とキヤノンの医療AIについて」及び「キヤノンの事業展開の方向性と医療AIソリューションについて」をテーマに、同社の医療AI事業の概況や今後の方向性などを紹介した。 布施氏は、医療AIがもたらす3つの価値として「臨床、運用、経営」を挙げ、「臨床の価値とは、AIを活用した高精細イメージングと臨床アプリにより医療の確信度やスピードを高めながら、治療方針決定を支援すること」などと解説。それらの支援を目的に同社が提供する医療AIソリューションは、4つの事象(Scan=モダリティでの撮像、Analyze=撮影画像の解析、Diagnose=診断の支援、Treatment/Monitor=治療方針の決定、治療後のモニタリング)それぞれに資するためのものとした。また、メディカル事業の戦略に関して、「画像・非画像情報、病理や遺伝子などの情報解析により、Clinical Decision Supportを実現し、将来的には個別化医療につなげていきたい」と語った。
続いてヘルスケアITへの取り組みとしては、①医療画像解析ワークステーション、②Abierto Reading Support Solution、③読影用統合ビューワ、④診断支援ソリューションの順に概要を説明。④については、藤田医科大学病院と研究開発を進める「Abierto Cockpit/Oncology」を挙げ、「この診断支援ソリューションは、死亡率が増加傾向にある心疾患を早期発見、また化学療法患者を対象に、1年以内に心疾患イベントが発生する確率を予測するものだ。研究開発はほぼ終了しており、これから製品化に向けて検討していく」と語った。