デロイト トーマツ/医師の高齢化と後継者不在に伴う診療所の第三者承継の課題に対応(2024.2.29)
デロイト トーマツ グループのデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社(東京都千代田区、以下DTFA)は、国内の診療所を運営する医師または法人の代表者の高齢化と後継者不在に伴う第三者承継を支援するサービスを開発した。2月29日に、滋賀県医師協同組合(滋賀県栗東市)と医業承継に係る業務提携契約を締結した。
日本には10万件を超える診療所があり、慢性的な疾患や軽い病気の治療に対応する地域のかかりつけ医として機能しており、特に大都市圏以外の地域では超高齢社会の地域医療を支える重要な役割を果たしている。厚生労働省によると2020年12月時点で、60歳以上の診療所開設者又は法人の代表者は全国平均で58.2%を占め、医師の高齢化と後継者不在に伴う医業承継(特に第三者承継)の課題が表面化している。地域医療を支える診療所の医業承継が円滑に進まない場合、地域住民の日常生活に支障をきたす可能性がある。
DTFAが運営する中小企業向けM&Aマッチングプラットフォーム「M&Aプラス(https://ma-plus.com/)」に登録されるM&A案件も医業承継に関する内容が増加し現在は全体の約3割を占めるまでになっている。一方、一般診療所が1,145施設(2022年10月1日時点)ある滋賀県内でも、滋賀県医師協同組合へ寄せられる後継者不在に伴う第三者承継に関する相談数も増加しており、支援体制の整備が急務となっていた。
今回開始する医業承継サービスは、利益相反が懸念される仲介形式ではなく譲渡側のみにサービスを提供し、利益最大化を図る点が特徴である。滋賀県医師協同組合と締結する医業承継に係る業務提携契約においては、組合が開催するセミナー内容の助言や講師の派遣、また個別の相談対応などを行うとともに、後継者の詮索や交渉、成約までのプロセスにおいて助言を行う。
DTFAは、これまで病院の統合再編や事業承継に関する支援を多数実施し、様々な知見やノウハウを蓄積し、各種専門家との信頼できるネットワークを構築してきた。また、地方銀行や信用金庫などとの連携により、中小企業の事業承継やM&Aなどにおいても多数の支援実績と専門人材やノウハウを有している。これまで培ったこれらリソースや専門知識を生かし、診療所の第三者承継へのサービスを展開する。
問い合わせ=デロイト トーマツ グループ 広報
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