慈恵大学と島津製作所/共同で「骨の健康」関連の概念実証を実施 (2023.11.28)
島津製作所と学校法人慈恵大学の総合健診・予防医学センター 加藤智弘教授・伊藤恭子准教授、臨床検査医学講座 越智小枝教授、整形外科学講座 斎藤充教授らは、2023年6月から10月に共同で「骨の健康」関連の概念実証を実施した。本実証は「骨の健康」に関わる健診施設(骨ドック)での検査を起点とする骨粗しょう症の予防と早期発見の仕組みの構築を目指すものである。
本実証をもとに島津製作所は来春から、健診センターを始めとする骨ドック施設などに向けて製品・ソフトウェアを組み合わせて提供する「骨の健康」関連の新事業を開始する。「骨密度測定装置」「X線画像診断装置」「椎体計測ソフトウェアSmartQM」「医療従事者向けの対面指導マニュアル」などに加え、日常の健康データおよび医療機関が取得した検査データを収集・見える化する健康増進プラットフォーム「SUPOFULL(サポフル)」も提供する予定。国民の健康や高齢化対策に取り組む日本において、骨粗しょう症患者の増加が懸念されている。骨粗しょう症は放置されると骨折につながり「骨折・転倒」は要介護状態に至る要因の1つである。島津製作所は、本事業を通じて骨ドック施設などの新規開設や機能増設を支援することで、骨粗しょう症の予防と早期発見を実現して、社会全体の「骨の健康」増進に貢献する。
東京慈恵会医科大学附属病院(以下、慈恵大学病院)新橋健診センターにて人間ドックと骨ドックを受診した12名について、人間ドックに加えて「骨密度測定」や「血液検査」、島津製作所の製品やソフトウェアによる「胸椎・腰椎X線画像AI診断」「椎体計測ソフトウェアSmartQM」や「血中ビタミンD測定」などの健診結果に基づき、新橋健診センターの保健師が対面指導を行うとともに、慈恵大学病院の整形外科医が受診者向けの「アドバイスレポート」を作成した。慈恵大学と島津製作所の両者は一連の検査の流れや、スタッフの業務負荷などを確認して、仕組みを運用できることを実証した。また、受診者12名のうち1名について骨粗しょう症が疑われる椎体骨折を発見した。
問い合わせ=島津製作所 コーポレート・コミュニケーション部広報グループ
TEL:075-823-1110