シーメンスヘルスケア&バリアン メディカル システムズ/We pioneer breakthroughs in healthcare. For everyone. Everywhere. ヘルスケアをその先へ。すべての人々へ。
https://www.siemens-healthineers.com/jp シーメンスヘルスケア
https://www.varian.com/ja バリアン メディカル システムズ
シーメンスヘルスケアは、今年もバリアン メディカル システムズとの共同展示を行った。3TオープンボアMRI「MAGNETOM Lumina」をはじめ、国内ですでに6施設で導入されているフォトンカウンティングCT「NAEOTOM Alpha」など、多くの最新技術を搭載した新製品を出展した。
バリアン メディカル システムズ側ブース
●3TオープンボアMRI「MAGNETOM Lumina」
MRIでは、3TオープンボアMRI「MAGNETOM Lumina」を出展した。同MRIは、どのような患者に対しても再現性の高い検査を実現する「BioMatrix」テクノロジーを搭載。さらに、撮影に関するワークフローを向上させるデジタル技術も多数搭載している。
展示では「BioMatrix」テクノロジーについて、患者のセッティングを同装置のタッチパネル上で実施することで、撮像部位を選択、ワンタッチでポジショニングが完了する様子を、実機操作によってアピールした。
また、コイル技術についても多数が展示された。チルトが可能なBioMatrix Head/Neckコイルは、安定した頭頚部検査が可能であり、さらにBioMatrix Spineコイルは、呼吸のモニタリングができるセンサーが内蔵されており、被検者は寝台上に寝ているだけで呼吸のモニタリングができる。
今回新しく展示されたのは、BioMatrix Beat Sensorコイル。同コイルによって心臓の動きを感知し、心臓の同期撮影が可能となっている。ECGを得るための電極の貼り付けなど、患者に不快感を与えることなく同期撮影がすることができ、セッティングの簡易化ができるようになっている。
さらに、同MRIにはAI技術を用いた画像再構成技術「Deep Resolve」を搭載。機能は、SNRを高めつつ高速撮影を実現する「Deep Resolve Boost」機能と、画像の解像度を高める「Deep Resolve Sharp」機能は併用可能であることから、解像度を高めつつ撮影時間を短縮することが可能となっている。
●フォトンカウンティングCT「NAEOTOM Alpha」
CTでは、世界に先駆けて製品化に成功したフォトンカウンティングCT「NAEOTOM Alpha」を出展した。展示では、実機の他に、同CTが描出する高精細な画像などを紹介。さらに実機では、CTレーザーマーカーを照射するオプション機能を搭載したタイプを展示。レーザーマーカーを活用することでCT透視ガイド下穿刺を容易に行うことができるといった臨床に貢献する機能などが紹介された。
また、展示会場では、実機だけでなく、同CTの心臓部であるフォトンカウンティング検出器の素子とカドミウムテルライドのウェハーの実物を展示しており、多くの来場者が熱心に見入っていた。
●Smart Imaging Value chain分野
画像を中心に病院の医療全般をサポートすることをコンセプトとするSmart Imaging Value chain分野では、まず「syngo.Virtual Cockpit」を展示。同システムは、読影医が自身の読影端末上にあるチャットシステム、コンソール共有画面、患者監視用ウェブカメラ、インゼクター用ウェブカメラ、音声通話などを通じて、読影室に居ながら各種放射線検査の状況を把握することができるほか、診療放射線技師らによる検査を遠隔からサポートを行うことができる。
「syngo.via」と診断支援ソフトウェア「AI-Rad Companionシリーズ」を活用することによって、AI技術による検査や画像解析等を自動化し、より精度の高い読影とレポート作成を実施することができる。
また、医療プラットフォーム「teamplay digital health platform」では、新機能「teamplay Image」を展示。同機能は、医療従事者間のコミュニケーションを円滑化するもので、画像データそのものを共有しながらモバイルデバイスやデスクトップアプリケーション上で画像データについてディスカッションすることを容易にする。難しい症例の画像診断などについて、より専門的な知識を持つ医師にコンサルテーションを受けることが容易になり、より精度の高い画像診断を実現するツールであることを説明員は強調した。
●血管撮影装置「Artis icono BC」「Artis zee SX」
血管撮影装置に関しては、「Artis icomo D-Spin」の兄弟機種で、4月11に八倍されたばかりの、循環器疾患にフォーカスした「Artis icono BC」をパネル展示した。
20.7㎝のパネルを搭載し、正面・側面共に循環器関連の医師が扱いやすいより深い角度付けなど、適正な画像を得るための機構を装備。さらに、常に適正なX線量で治療に必要な高画質を自動的に実現する「OPTIQ」機構やX線量を上げることなく治療デバイスの視認性を向上する「Structure Scout」機構、システム全体の操作ワークフローを改善する「Case Flows」機構などを搭載。新しい技術を用いて画質を維持しつつ線量を低減することをベースに開発された装置である。
さらに、血管撮影装置については、従来の「Artis Zee」シリーズを刷新して、サステナビリティ対策を施した「Artis zee SX」シリーズを展示した。
【新製品】FD搭載モバイルCアームイメージングシステム「Cios fit」
外科用X線撮影装置については、4月6日に発売を開始したFD搭載モバイルCアームイメージングシステム「Cios fit」を展示。同社の「Cios」シリーズの中では、最も軽量・コンパクトな装置で、I.I.搭載型の装置となっている。展示会場では、FD搭載の上位機種にあたる「Cion Spin」を展示した。
●マンモグラフィ「MAMMOMAT Revelation」
マンモグラフィでは、同社のフラッグシップ装置である「MAMMOMAT Revelation」の実機を展示。被ばく低減技術「PRIMEテクノロジー」を搭載できるほか、振り角50度によるブレストトモシンセシス撮影で病変をクリアに描出することができる。米国FDAでは、シーメンス製マンモグラフィのトモシンセシス画像のみでの診断を認可するなど、同社のトモシンセシス画像は高く評価されていると説明員は話す。また、バイオプシー検査の正確なターゲット設定も可能であるなど、様々な臨床上貢献する機能を多数搭載している以外にも、被検者の痛みを抑える機構も多数搭載している。
●SPECT/CT「Symbia Pro.specta」
核医学では、2022年9月に発売されたSPECT/CT「Symbia Pro.specta」をITEMで初出展した。
同装置は、従来の「Symbia」シリーズで培った技術を継承しつつ、従来の手動およびユーザー依存の複雑なワークフローを改善し、直感的かつ簡便な操作を可能にするアプリケーション「 myExam Companion(マイイグザム コンパニオン)」を搭載。同アプリケーションは、検査のセットアップ、被検者のポジショニングから画像の収集、画像再構成、画像処理までの各プロセスにおいて、操作者を導く支援ツールで、操作者の経験値に左右されることなく、迅速かつ容易に一貫した検査結果を提供することが可能となる。
頭部の検査について、検出器回転半径を大きくしながらも感度を向上させることにより、分解能を低減させない機能、およびCT撮影を行わずSPECT画像から減弱マップを作成する機能を搭載することで、より広範囲かつ画質の高い画像を得ることができる。
心臓の検査においても、呼吸性変動を抑制する機能を搭載し、診断に適した画像を描出することができるようになっている。
<バリアンメディカル システムズ>
バリアン メディカル システムズは、シーメンスヘルスケアとの共同での展示を実施。2社の持つ放射線治療に関するさまざまな機器・システムを融合させ、包括的ながん医療「Comprehensive Cancer Care」を提案。同医療に関する様々な機器・システムに関する展示を行った。
●適応放射線治療ソリューション「ETOS Therapy」
バリアン メディカル システムズでは、昨年に引き続き、適応放射線治療ソリューション「ETHOS Therapy」を出展した。同ソリューションは、京都大学、九州大学、鹿児島大学の3施設で稼働しており、多くの注目を集めている。同ソリューションは、ガントリ型リニアック「Halcyon」に搭載が可能で、日常的な放射線治療を実施しつつ適応放射線治療が可能なシステムとなっている。同社では、シーメンスヘルスケアと共に、AIを中心とした、ワークフローを改善する、治療効果を改善するようなソフトウェアの開発を進めるとしている。
適応放射線治療ソリューション「ETOS Therapy」が搭載可能なリニアック「Halcyon」の模型を展示。
このほか、同社ブースでは、2020年9月に承認された小線源治療装置「BRAVOS」を昨年に引き続き展示した。「BRAVO」は京都大学医学部附属病院で稼働を開始するなど、国内での導入実績をアピールした。