2002年度 月刊新医療9月号論文サマリー(和文)


e-Healthが克服すべき2つの課題

川渕孝一

東京医科歯科大学大学院教授

e- Health が克服すべき課題として、@情報の信頼性の確保とAプライバシーの保護がある。その打開策は、臨床家が納得するケースミックスの開発と米国のTRUSTe に代表されるウェブサイト評価機構の設立を進めることになる。

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医療事故防止と情報システムの活用

分校久志

金沢大学医学部附属病院医療情報部

インシデントレポートの分析から医療事故防止対策立案のためには事例サマリのデータベース化が必須である。イントラネットを利用したインシデントレポート登録・分析支援システムは共同作業による量的・質的分析に有用である。

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IHE−Jの目指すもの

安藤 裕

慶應義塾大学医学部放射線科学教室

Integrating the Healthcare Enterprise(IHE)は、既存の規格や技術を利用して、より効率的な医療情報システムを構築することである。現在のRIS やPACS では、DICOM 規格が使用され、病院情報システムと放射線科情報システムを接続するときには、HL7 規格が用いられる。これらの規格の実装をどのようにするかを定めて便利に使いやすくすることがIHE である。

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医療情報技術者の育成

山内一信

名古屋大学医学部附属病院医療情報部

医療の質の向上と効率化は重要である。この変革には、医療のIT 化が必須であり、そのための情報システム開発と運用管理を専門とする情報技術者の養成が必要である。日本医療情報学会は、養成のための作業を進めようとしている。

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医療のIT化は何を実現するのか

佐味祐介

前経済産業省サービス産業課長 現公正取引委員会経済調査課長

カルテやレセプトの電子化、そして電子化された医療情報のセキュアな転送や外部保存は、遠隔医療を含む医療機関連携、診療行為の高度化、標準化をもたらすことにより患者満足度を高め、医療従事者の勤務環境や医療機関経営の改善にも役立つ。

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HIPPAの現状―日本への教訓は何か

清谷哲朗

関西労災病院 医療情報部長

HIPAA は米国の医療を大きく変えることになる。特に、電子取引の普及を基礎に合理化・効率化が進むことになる。その状況を説明し、日本でのレセプト電算処理にも合理的な経営の視点が必要であることを述べた。

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EBM支援型電子カルテMAJUNの運用と展望

久島昌弘

沖縄県立中部病院医療情報科部長

沖縄県立中部病院は、沖縄県中部地区医師会、県立離島診療所、サイバーラボ、横河電機と共同で2001年度経済産業省補助事業「先進的情報技術活用型医療機関等ネットワーク化推進事業―電子カルテを中心とした地域医療情報化」により、「電子カルテMAJUN 」を開発した。「MAJUN (まじゅん)」とは沖縄語で「共に」という意味で、病診の連携・共同開発など本開発のいろいろな「共に」というイメージに対して名付けた。その開発経緯、成果、将来について述べる。

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EMInet松戸市医療情報ネットワーク

高林克日己

千葉大学医学部附属病院医療情報部

松戸市のEMInet は、病診、診看連携を中心にあらゆる領域に利用されている。また不特定多数の施設のデータ共有について、ICカードの利用とともに患者が主治医と共有先を決めるという考えを基本にしている。

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統合型医療連携システムNet4U

三原一郎

鶴岡地区医師会

ASP方式による統合型医療連携システムNet4Uを実際の医療現場で運用した。ネットワーク化された電子カルテによる診療情報の共有は地域医療に求められる医療連携に極めて有用であることが実証された。

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はちや整形外科医院での電子カルテの運用

成田泰詞

医療法人 蜂友会

1996年より医療法人蜂友会において医療情報の電子化に取り組んできた。当法人のシステム概要と医療機関における問題点と課題、システム上の問題点と課題および今後の課題について、経験的見地から若干の私見を述べる。

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モニタの現状と課題―液晶を含めて

小寺吉衞

名古屋大学医学部保健学科

モニタ診断の現状とそれを取り巻く国際的な環境について触れ、モニタの画質と計測に関する問題、精度の維持と管理におけるJIS規格と臨床現場での対応の問題、画質の劣化と診断への影響について考察した。

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モニタ診断の現状と課題

南部敏和

北海道大学医学部附属病院放射線部

モニタ読影では診断用、参照用など用途に応じ適切な解像度のモニタを用い、環境やハードの劣化にも配慮すべきであるが、最近ではフラットパネルも実用段階となっている。連続スライス表示や対比読影など表示ソフトの機能は効率的診断に重要である。

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モニタ診断の問題点とこれからの課題

吉村英明

大阪大学医学部附属病院放射線科

フィルムを用いないモニタ診断には様々な長所がある。しかし短所もあり、転送時間、画像の調整、データ管理、端末配置など、解決しなければならないことも多い。その解決には詳細な仕様書が必要だと思われる。

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IVRでの液晶モニタの採用

市田隆雄

大阪市立大学医学部附属病院中央放射線部

IVR室での観察モニタは、寝台近傍に大型として存在するため、術者手技に応じて邪魔となることがある。またその可動範囲が限定されているため、モニタ観察に円滑さを欠く場合も多い。その解決のためCRT の代替としてLCDを採用した。

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