2002年度 月刊新医療6月号論文サマリー(和文)


MRI の現況、そして私が望むMRI

1扇和之

1豊田真規子 1山下晶祥 1古川 隆 2村田晃一郎

1日本赤十字社医療センター放射線科 2北里研究所病院放射線科

マルチスライスCT時代におけるMRIの現況を踏まえながら、現時点での望ましいMRI装置について考察し、併せて、最近話題となっている高磁場装置やハイパーグラディエント装置についても概説する。

前ページへ戻る


MRIの最新トレンドと技術解説

伊藤博敏

山田 恵 結縁幸子 中村尚生 木津 修 西村恒彦

京都府立医科大学放射線医学教室

MRIにおけるハードウエアの改良により、傾斜磁場強度とslew rateは劇的に向上した。TR/TE短縮による高速撮像法やturbo spin echo法の開発は一段落したが、TR/TE短縮によらず高速化を達成するSENSE法などのparallel imaging が一気に普及し、加えて高性能傾斜磁場により可能になったTrueFISP などのSSFP シーケンスに注目が集まっている。静磁場強度においても全身用3TMRI のFDA 認可により、一気に3TMRIの臨床応用が始まっている。

前ページへ戻る


中枢神経系のMRI

1青木茂樹

1増谷佳孝 1阿部修 1吉川健啓 1森 墾 1増本智彦 1林 直人 2石亀慶一

1東京大学病院放射線科 2山梨県立中央病院放射線科

diffusion tensor imaging(DTI)を用いて、白質線維の異方性を解析することにより、白質の異方性の定量化や、白質線維の走行を3 次元的に描出できるtractography が可能となる。主要白質路と病変の立体的関係の描出、白質障害の程度の定量化など広く応用が期待される分野である。

前ページへ戻る


放射線診断ガイドラインと脳神経領域でのMRIの位置付け

興梠征典

熊本大学放射線科

MRIは中枢神経病変の描出に優れており、多くの症例で第1選択となるが、CTとMRI双方が必要な場合もあり、その使い分けには高度の専門的知識が要求される。MRIの位置付けは画像診断法の進歩に伴い変化していくため、最新の知識を得る努力も必要である。

前ページへ戻る


脳のMRI―拡散強調像

安達真人 細矢貴亮

山形大学医学部放射線科

組織内の水の拡散運動を反映した拡散強調像は、広く臨床の現場で用いられるようになってきている。ここでは、われわれが研究してきた中枢神経疾患における拡散強調像の有用性を解説する。

前ページへ戻る


心臓MRI―現状と今後の課題

1佐久間肇

1市川泰崇 1北川覚也 1竹田 寛 2本康宗信 2上村祥子 2井阪直樹 2中野 赳

1三重大学医学部放射線科 2同第一内科

心臓MRIは、左室機能・心筋血流・心筋バイアビリティーなどの機能的診断法として循環器臨床における利用が広がりつつある。ここでは最近の心臓MRIの進歩と今後の課題について考察する。

前ページへ戻る


腎・尿路のMRI

大渕真男

昭和大学藤が丘病院放射線科

腎尿路疾患を評価する上で有用な4種類の画像を紹介し、その撮像方法および注意点を述べ、臨床上欲しい情報を得るためにそれらをどのように用いているかを概説する。

前ページへ戻る


MRIガイド下の低侵襲性手術

原田潤太

成田賢一 最上拓児 土肥美智子

東京慈恵会医科大学附属柏病院放射線科

MRIは非被曝性で組織分解能に優れ、高速スキャンによるMR透視はMR誘導下の手術を可能とした。低侵襲性治療において、治療を確実にするためは治療範囲の正確なモニターが必要であり、MRIは非常に有用なモダリティとなる。

前ページへ戻る


サイレントMRIの使用経験

淡河喜雄 早渕尚文

久留米大学医学部放射線科

silent MRI system は従来の性能、画質を低下させることなく検査騒音を低減させ、検査中における患者の不安感や恐怖感は緩和されている。この検査は患者にやさしい検査法と思われる。

前ページへ戻る


超音波の安全性と技術開発の方向

名取道也

国立成育医療センター周産期診療部

超音波の生体作用は、熱作用と非熱作用に分けて検討されている。熱作用については世界超音波医学生物学連合が、診断用超音波装置による上昇が1.5℃(体温で38.5 ℃)以下の場合では問題がないとしている。非熱作用は、生体内状況、増感剤の使用の有無など多くの因子に関係するので、検査対象に留意しての検査が必要である。いずれにしても必要な情報を入手する上で最低限の出力と時間で検査を実施することが重要である。これからの超音波機器の開発はリアルタイムの3次元装置が大きな目標の1つであるが、最も重要な機能である2次元のBモード画像の画質改善は常に研究されているテーマである。一方超音波の治療への応用も数年の内に実用化されることが期待される。

前ページへ戻る


三重大学病院での統一バーコードによる物流システムの構築

山本晧二

三重大学医学部附属病院医療情報部

三重大学で開発した新物流システムについて紹介した。本システムは、統一バーコードEAN−128を念頭に設計され、医事会計とも連動したシステムである。完全なペーパーレス化を実現し、EAN−128の整備が進めば有効期限管理など今までできなかった精度管理をすることができる。

前ページへ戻る


Comments are welcome. Mail to address edit@newmed.co.jp, please.