フジデノロ/「新しい価値を創造し続けるフジデノロ」
フジデノロの創業は1970年。航空機部品の精密加工で高い評価を得て、そこで培った技術を活かして医療機器業界に参入し、現在、同分野での存在感を高めているのは広く知られる。今回、フジデノロは、MRI用磁性体検知器「MAGGUARD-Ⅱ」及びその兄弟製品(実機)や医療用画像管理システム「SonicDISCOM PACS」など、同社開発製品を、展示場中央付近の2方が通路に面する角位置という好位置のブースに並べ、来場者の足を止めさせていた。
●MRI用磁性体検知器
「MAGGUARD-Ⅱ」〈新製品〉
未だに無くならない磁性体による吸着事故から患者やスタッフ、MRI装置を守るMRI用磁性体検知器。最新仕様の最大の特徴は、自社開発の超高感度磁気センサシステム「iMUS(イムス)」の3次元配置により、高い磁気レベルのMR環境においてもヘアピンなどの微小な磁気信号変化から酸素ボンベなど磁性の大きなものまで、安定した測定を可能にしたことに加えて、AIによる最適感度に対する調整、環境ノイズを除去するバリア機能、感圧センサであるⅯatSwitchによるスクリーニングの最適化により、より安全なMR検査室の実現を可能にする。 なお、「MAGGUARD-Ⅱ」には、スタンドタイプ(=自立型)「MAGGUARD- SⅡ」、ウォール(壁掛け)タイプ「MAGGUARD- WⅡ」、ハンドヘルド(手持ち)タイプ「MAGGUARD ‐HⅡ」がある。機器自体のデザインもスマートなものへ刷新されている。なお、「MAGGUARD-HⅡ」はセンサを2ヵ所に増やしたことで、検知可能な範囲も約2倍に広がった。 また電源がとりにくい場所への設置を考慮して充電機能も追加。約6時間の充電で「MAGGUARD-SⅡ」と「MAGGUARD -WⅡ」が最大20時間、「MAGGUARD-HⅡ」は最大40時間駆動するリチウムイオンバッテリーを搭載している。 スタリッシュなデザインも特徴。各製品を案内してくれたヘルスケア事業部の平野敬三氏は、「フジデノロの『デノロ』はデザインとテクノロジーを組み合わせた造語で、創業以来、技術だけでなくデザインにこだわってきた歴史があり、デザインには自信があります」と説明した。
●医用画像管理システム
SonicDICOM PACS Cloud〈新製品〉
汎用性の高いWebベースの高速ビューアを搭載し、CTやMRIなど大量の検査画像も瞬時に表示するPACS。従前のSonicDICOM PACSに新たに、いつでも、どこでも簡単安全に画像を共有できるクラウド版が追加された。クラウドサーバーを介して画像共有が容易に行えるので、病診連携や遠隔地医療、救急搬送時など、院内・院外に関係なく迅速対応できる。 初期費用なしで導入でき、また料金プラン体系が明確で、リーズナブルな価格で気軽に利用できるのが魅力でもある。前出の平野氏の話では、「オンプレミス型もあるが、約7割のユーザーがクラウド版を選択するようになっている」とのことだ。手軽に使えて十分な機能を持つことから、特にクリニックや中小規模病院に多く導入されているという。
また学会や研究会などに合わせて期間を限定して使用することも可能で、タブレットにも対応する利便性も注目される。
フジデノロ ヘルスケア事業部長 大久保伸治氏は「フジデノロでは特殊なオーダー品や少量生産を請け負う受託製造事業も展開しておりますが、ハードウエア、ソフトウエアをすべて自社で開発しているので、安心して発注、使用していただけますし、もっとこうしたらという声をいただいて、販売した後も常にアップデートして、現場で使えるものを作り上げるようにしています」と訴えた。