エレクタ/Hope for everyone dealing with cancer
エレクタは、コーポレートカラーのブルーとホワイトで彩ったブースにて、MRリニアック「Elekta Unity」を実機に近い形で来場者が体感できるよう工夫して展示。その他、高精度放射線治療装置「Elekta Harmony」や脳内疾患専用定位放射線治療システム「Elekta Esprit」、小線源治療用アプリケータ「Geneva」、放射線治療計画システム「MOSAIQ」を出展。これらの製品の相乗効果により、①治療までの時間の短縮、②高精度放射線治療の包括的実施、③モニタリングによる生存率の向上、という放射線治療の一連の流れを実現していくという基本方針を示していた。
●MRリニアック「Elekta Unity」
ブースの半分余りのスペースを占めた「Elekta Unity」では、治療ビームの照射直前に3D MR画像を取得してターゲットである腫瘍の位置や形状の変化を捉え、それに伴う治療計画の最適化を図り、高精度で治療ビームを照射することができる。また、治療ビーム照射中にターゲット箇所や近傍にあるリスク臓器の位置をリアルタイムにモニタリングできるため、位置が変化した際に治療ビームを中断することも可能。さらに、定量的な機能情報の獲得により処方線量や治療方針の変更などを迅速に行うこともできる。「Elekta Unity」は現在、世界27ヵ国で115台以上を受注し、うち50台あまりが臨床稼働しているという。
●【新製品】脳内専用定位放射線治療装置「ガンマナイフ Elekta Esprit」
昨年発売されたガンマナイフの第6世代モデル「Elekta Esprit」は、モニター映像のみの出展だった。Elekta Esprit」はガンマナイフの後継モデルで、ガンマナイフに対して装置の効能や効果に変化はないものの、正常進化する形でバージョンアップした。ソフトウェアの進化はもとより、モニターの装置装着(従来は治療室の壁に設置)により患者取り違えなどの過誤に対応。さらに、専用の治療計画装置「ガンマプラン」や従来はオプションだった患者頭部固定フレームを標準装備するフルパッケージでの提供となった。なお、本邦では独協医科大学病院において本年4月18日より国内第1号機が稼働している。
●【バージョンアップ】放射線治療情報管理システム「MOSAIQ」
ITEM2023では、新機能「Kaiku」を搭載した最新バージョンを展示。「Kaiku」は患者治療のモニタリングシステムで、同機能により治療後のフォローアップを行う。具体的には、患者は自身所有のタブレットやスマートフォンにて、放射線治療の副作用などの状況を同機能でリアルタイムに確認することができる。また、「Kaiku」は患者の体調変化等を時系列で表示できるため、医師がそれらの情報を治療に役立てることで生存率の引き上げに貢献する。なお、「Kaiku」は「やまびこ」を意味するフィンランド語であり、命名には「患者の声が継続的に医師に届くように」との願いが込められている。
●【新製品】小線源治療用アプリケータ「Geneva」
昨年発売された「Geneva」は、実機展示にて来場者に性能等を説明していた。「Geneva」はアプリケータの組み立てをモジュール化したシンプルかつコンパクトな構成が特徴であり、日本人の体型にあった小線源治療システムとして好評を博している。実際、本邦発売1年で約20台を受注したという。
その他、2021年に発売し、2023年4月5日から栃木県立がんセンターにて本邦初の治療が始まった「Elekta Harmony」は、映像での製品紹介の他、レゴブロックを使ったユニークな実機の模型を展示。バージョン6に進化した放射線治療計画システム「Monaco HD」も来場者の注目を集めていた。