富士フイルム /グループシナジー創出とIT・AI技術の活用を加速する
富士フイルムは、4月5日、同社のメディカル事業における新製品発表会を本社(東京・港区)において行った。新製品の発表、紹介に先んじて、富士フイルム執行役員メディカルシステム事業部長兼富士フイルムヘルスケア代表取締役会長の秋山雅孝氏が「メディカルシステム事業の取り組みについて」をテーマに、まずメディカル事業の位置づけを述べた。「富士フイルムグループの売上、2兆5,258億円(2021年度)中、ヘルスケア事業は最大の32%を占め、さらにその内の66%をメディカルシステムが占める」
22年度を振り返り、2つの結果をあげる。「1つはグループシナジー創出で、富士フイルムヘルスケアとのシナジー拡大でのクロスセル倍増があり、もう1つは、IT・AI技術を活用した付加価値向上によるビジネス拡大である。前者については21年度の売上が2022年度に倍増している。後者についてはクラウド型AI技術開発支援サービスの開発、トライアル開始などがある」
2023年度の取り組みとしては、同じく2項目をあげる。「1つはグループシナジー創出にむけた加速であり、そのためにWomen‘s Health領域では新ブランド『INNOMUSE(イノミューズ)』を立ち上げた。
もう1つは、医療現場の課題解決に向けて、IT・AI技術の活用を加速させることだ。高画質化、臓器セグメンテーション、コンピュータ診断支援、ワークフローの効率化の4つのアプローチを設定し、製品化させていく。目指すゴールは、AI技術ブランド『REiLI』を戦略基盤にして、“モノ”から“モノ+コト”による価値提供への転換を図っていく。2018年4月に『REiLI』を発表して以来、矢継ぎ早にモダリティにAIを搭載してきたが、さらにそれを進める」
最後に、今後の目標を「2022年度の売上は6,050億円だが、2030年度には1兆円達成を目指す」とした。