がん対策推進企業アクション/毎春恒例のがん対策に取り組む企業・団体の表彰を行う
厚生労働省委託事業「がん対策企業アクション」は、企業・団体でのがん検診の受診率向上等を目指す事業だが、2月28日、令和4年度の活動に関する統括セミナーを星陵会館(東京・千代田区)で開催(Web中継含)。当日は、推進パートナー企業・団体から、恒例の当年度がん対策に積極的に取り組んだ企業・団体の発表と表彰式が執り行われた。
冒頭、山田浩章事務局長が、「現在のパートナー数は、昨年約3500社であったが約4800社にのぼり、従業員数100人未満の中小企業の数も増え57%を占める」と報告。2022年度のトピックスとして、「パートナー申請のデジタル化」等を挙げた。
次いで、前述の表彰が行われた。がん対策推進パートナー賞「検診部門」は伊藤忠商事、「治療と仕事の両立部門」はサッポロビール、「情報提供部門」は豊田合成、「中小企業部門」は社会福祉法人青谷学園、そして厚生労働大臣表彰 最優秀賞は大東建託パートナーズがそれぞれ受賞した。
授賞式後には、3講演が行われた。
中谷祐貴子氏(厚労省健康局がん・疾病対策課課長)は、「我が国におけるがん対策について」と題し講演。今年度からの「第4期がん対策推進基本計画(案)」をあげ、5大がんの検診受診率60%を目指すとした。
次に南谷優成氏(東大)が「令和4年度推進パートナー企業・団体向けアンケート調査結果報告」について講演したが、がん検診の目的は「死亡を防ぐ」ことであり検診の過多は弊害を招くと警鐘を鳴らした。
最後に、同アクションのアドバイザリーボード議長の中川恵一氏(東大)が「企業アクションの進化と職域がん対策の今後」を演題に講演。中川氏は、「労働年齢におけるがんの罹患は女性の方が多く、特に子宮頸がんと乳がんの検診は重要」と訴えた。また「職域検診での精査勧奨は、労使間で互いのリスクを意識し決して十分ではない。労使間で事前に協議して推進すべき」と指摘した。