PHC/クラウド型電子カルテの「きりんカルテ」Google Cloud の技術を採用した大型アップデートを実施
PHCメディコム事業部は、診療所向けクラウド型電子カルテ「きりんカルテ」(*1)のクラウド基盤をGoogle Cloud (*2)に移行を完了した。
移行の背景
厚生労働省による医療情報の電子化の推進を背景に、国内医療ICT市場は、堅調な拡大が期待されている(*3)。なかでも、クラウド型電子カルテは、医療機関における維持管理作業の軽減およびコスト低減への貢献や、訪問診療時の利便性の向上が評価されるなど、様々なニーズに合わせて機能を拡張できるため、高い成長が見込まれている。また、内閣府もデジタルトランスフォーメーション(DX)への投資を重点投資分野(*4)の一つとしており、データの利活用の強化を含めた業務改善への取り組みが推進されている。
今回、PHCが「きりんカルテ」の基盤システムをGoogle Cloud へ移管することで、レスポンスタイムを強化し、医療従事者の更なる業務効率化を支援していく。今回の移行作業は、2022年1月より段階的に実施され、同年11月に完了した。
具体的には、下記の3点が今回の移行の主要ポイントになる。
1.これまで管理コンソール等で設定していたインフラストラクチャー(以下、「インフラ」)に関わる構成や設定を、すべてコード化(Infrastructure as Code化)およびGitHub(*5)での管理へ移行した。Google Cloud の仕組みでGitHubから自動的にソースコードを取り込み、開発からステージング、本番環境まで反映できるようになった。これにより、インフラの変更とその履歴はすべてGitHub上で管理され、インフラメンバーによって常にレビューされる状態になるので属人的な変更がなくなる。
2.今回はVMベースのリフトと呼ばれる移行の手法を選択した。開発環境でテストしたVMをステージング環境で更にテストして、その上で本番環境に反映できる仕組みとしている。これにより、テストされた環境のみが本番に反映されるので、安全な運用が可能になる。
3.事前の負荷テストの結果、これまでの内部ネットワークの構成が非効率なものになっていることが判明したため最適化を施した。レスポンスタイムの向上により、これまでよりも快適にきりんカルテ」を利用できる。
今後の展望
今回の移行により、「きりんカルテ」のデータが当社の既存SaaSプロダクトのデータと一括で管理できるようになった。医科分野と調剤分野双方を組み合わせたデータの活用に向けた取り組みを加速し、医療従事者における業務の最適化を図るサービスを提供していく。
*1)https://xirapha.jp/
*2) Google Cloud は Google LLC の商標。
*3) 厚生労働省「医療分野の情報化の推進について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/johoka/index.html
*4)内閣府「経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太方針2022)」https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2022/decision0607.html
*5)GitHub は、GitHub Inc.の商標または登録商標。
問い合わせ先=PHC メディコム事業部
TEL:070-1517-4856
E-mail:info_xirapha@gg.phchd.com