バリアンメディカルシステムズ/京都大学医学部附属病院にて密封小線源治療装置「BRAVOSアフターローダーシステム」の臨床使用が開始
「BRAVOS」は5年以上の研究に基づき開発され、他のVarian製品とも親和性が高く統合化されたシステムで、小線源治療の手順をよりシンプルに、ワークフローの効率化に貢献する製品である。
密封小線源治療は、局所的に高線量を照射することができ、周囲の正常な臓器への線量の低減にも貢献することができる。「BRAVOSアフターローダーシステム」は、付属のCamScale(カムスケール)を使用し、線源停止位置の精度を管理するなど、安全性に配慮した機能を提供すると共に、Varian製リニアックと同様にリモートメンテナンスシステムであるSmartConnect(スマートコネクト)を使用して病院の装置を遠隔でサポートすることが可能。
また、Eclipseの最新Version16.1による小線源治療計画は、輪郭描出とアプリケータの再構成を共通のソフトウェアにより同時進行で行う事ができ、スムーズなデータの統合に加え治療計画時間の短縮に貢献。リニューアルされた最適化アルゴリズム「VEGO」により、各線量制約に基づき効率的に最適化処理を行うことが可能である。
2022年4月より、日本国内第1号となる高線量率(HDR)密封小線源治療装置「BRAVOSアフターローダーシステム」の臨床使用を開始した京都大学医学部附属病院の放射線治療科教授・溝脇 尚志氏は、「BRAVOSの国内第1号機の導入となったが、医師、物理士、技師、看護師のスタッフ間の連携により、2022年4月28日に無事治療を開始することができた。当院では既に治療計画装置であるEclipseを実臨床で運用していることから、BRAVOSの小線源治療計画装置BrachyVisionの運用をスムーズに進める事ができた。特にClinicalGoalの設定は治療計画時においての目標値との比較・評価が明確になり、有効に活用している。線源の停止位置を自動で解析するCamScaleを利用し、より効率的で安心のできる小線源治療を提供する事が可能となった。新しいアプリケータの導入、使用に加え、将来的に視野に入れている不均質補正を考慮した線量計算や外照射との合算による線量分布の最適化なども含め、小線源治療に対して新たな試みに取り組んでいきたい」と述べた。