アストロステージ/For the future of healthcare
医療ソフトメーカーのパイオニアとして広く知られ、当該分野の最先端を突き進むアストロステージは、自社技術を中心としたオリジナルソリューションの統合システム、放射線部門システム、部門システム、そして地域連携システムの主力製品をモダンホスピタルショウ2022で披露した。ブースはコーポレートカラーのブルーとホワイトを基調とし、システムが実地で体験できる多くのモニターの設置。また、例年設けるモニター前の椅子を省いて動線を広くとり、新型コロナウイルス感染症に対応した。
●統合システムでは診療情報統合管理システムの「STELLAR」や医用文書作成管理システムの「Sophia Report」などを出展
注目の展示製品を見てみる。
まず統合システムでは、院内の部門ごとの単体システムから拡張された、各部門システムを統合する診療情報統合管理システムの「STELLAR(ステラ)」、院内の様々な文書を場所を選ばずにスキャンが行え、一元的に管理できるドキュメントスキャンシステムの「Capella(カペラ)」、そしてユーザによるフォーム作成機能からチーム医療のワークフロー、各部門の複雑なレポート機能まで幅広くサポートするドキュメント作成&管理システムの「Sophia Report(ソフィアレポート)」を紹介した。
注目は昨年7月に最新のコンサルテーション機能を追加した「STELLAR」である。診断や治療方針など専門医へコンサルテーションを行う際、従来は各システムから診療情報(検査データ・各種画像・投薬など)の抽出、コンサルテーション依頼書作成から専門医の返書作成まで、多くの手間を要したものを、必要な診療情報をマウスでクリックするだけで依頼書へ取り込みでき、依頼内容を入力すれば依頼書の作成が完了する仕組みとした。また、相互に検査や文書を追加し、依頼および返信が簡単操作でスムーズに行えるので、向かい合って議論を交わすようなイメージでコンサルテーションが図れる。履歴が見やすい専用画面を採用し、合わせて履歴のレポート管理ができる点も、「STELLAR」の追加機能の訴求点である。
●放射線部門システムでは最新のPACSシステム「Nazca」やRISシステム「Nazca RIS」を、部門システムでは生理検査システム「Sirius」や内視鏡検査システム「Aquila」などを紹介
放射線部門システムでは、柔軟性と拡張性が特長の画像管理システムの「Nazca(ナスカ)」、オーダ管理から検査予約機能、放射線科受付、実施入力、集計、帳票管理までを広くサポートする放射線科部門情報管理システムの「Nazca RIS(ナスカリス)」を出品した。「Nazca」は、本年3月にDICOMビューアのNazca View(ナスカビューア)にMPR 画面でのアイコン編集・曲線距離計測等の機能を追加して、3D機能(VR計測、フュージョン)を強化。来場者からも注目を集めていた。
一方、部門システムでは多彩な検査が存在する生理部門をトータルに管理する生理検査システムの「Sirius(シリウス)」、内視鏡の検査予約から当日の受付、実施までを一元管理し、統計システムや検査時使用スコープの洗浄管理機能、内視鏡専用のレポート機能までを内包した内視鏡検査システムの「Aquila(アクイラ)」、予約受付から検査の進捗までを管理する検体検査システムの「Spica(スピカ)」も展示。このうちの「Aquila」は、洗浄管理システムフローを昨年8月に改善。トップ画面のリスト構成の刷新や各種レポートの記載内容の修正・削除機能の追加などを実施している。
●具体的な地域連携が行える「STELLAR NET」も出品
ブースでは、院内の診療情報の共有から、その診療情報の地域での共有化までを実現する診療情報共有システムの「STELLAR NET(ステラネット)」も披露された。現在、厚生労働省は地域の医療機関が自らの施設の実情や地域の医療状況に応じて、医療の機能分担や専門化を進め、地域の医療機関すべてが相互に円滑な連携を図り、それぞれの有する機能を有効活用することにより住民が地域で継続性のある適切な医療を受けられるようにする事業を推奨しており、それに対応したソリューションの需要がにわかに高まっている。「STELLAR NET」は、遠隔読影の対応、地域連携パスの連携、検査予約システムの実装まで行え、単なるウェブ参照だけではなく、具体的な地域連携が行えるシステム。病院ごとのシステムに依存しない病院間をオープンに連携できる自由度の高さが、来場者の関心を集めていた。