フィリップス・ジャパン/Illuminating the path to precision care
https://www.philips.co.jp/healthcare
フィリップス・ジャパンは、「Illuminating the path to precision care」というテーマを掲げ、放射線領域において全てのデータと画像を連携させることで、診療から治療をシームレスにつなげる包括的なソリューションを提案。その中で、個別化医療に向けたAIによる自動化への取り組みなどを来場者に向けて発信した。また、今回のブースは、MRエリア、CTエリア、ヘルスケアITエリア、超音波診断装置エリア、Image Guided Therapyエリアに分けて構成され、実機も展示していた。
●【新製品】1.5テスラMR装置「MR5300」
MRエリアでは、今年3月1日から国内販売を開始した「MR5300」の実機を展示した。「MR5300」は多くのAIのサポートを受けたMR装置で、AIベース管理のモニターポイントは500を数える。ヘリウムフリーを実現した「BlueSealマグネット」を採用し、わずか7リットルのヘリウムで安定した超電導状態を維持する点も特長として挙げられる。また、「Micro-coolingテクノロジー」により、高い静磁場安定性0.001ppm/hourならびに傾斜磁場直線性1.4%(50cmDSV時)を実現し、最大FOV55cmにおいて歪みなく精度の高いMR検査を可能とした。さらに、軽量性と柔軟性、コイル間の組み合わせの自由度に富んだ「Breeze coils」を組み込み、検査部位への密着性を高めた。その他、新しいユーザーインターフェース「MR Workspace」、患者もオペレーターも検査に集中できる新技術の「SmartWorkflow Solution」、患者情報の確認・変更・伝達が行えるガントリー前面のタッチパネル「VitalScreen」、カメラによる動きの検知とAI解析による正確な波形を得るタッチレスの呼吸センサ「VitalEye」、シールド扉閉に連動して撮像を開始する「SmartStart」などの先進機構を組み込んでいる。
一方、ブースでは「MR5300」に採用する次世代高速イメージング“SmartSpeed”も紹介していた。これは、圧縮センシング法技術のCompressed SENSEにAIを活用した新開発のSmartSpeedエンジンを組み合わせ、従来のパラレルイメージングより最大65%の高速化と高画質化を果たした画像解析を行うものである。高速化とデノイズを学習した唯一のAIイメージングであり、2Dから3Dまで幅広く対応する。
●超音波診断装置「EPIQ」
超音波診断装置エリアには、“LiveFatQuanitification(肝脂肪化定量評価機能)”を搭載した最新仕様の「EPIQ」の実機を出展した。同機能は4月5日に国内発表したばかりで、“Attenuation inaging(減衰イメージング)”と“Hepatorenal Index(肝臓インデックス)”の機能を持つ。なお、同機能は同社のミドルクラス装置「Affiniti」にも搭載可能である。
●携帯型超音波診断装置「Lumify」
4月15日発表の「Lumify」の実機を展示。新製品のトピックはまず、従来は10インチのみだった本体モニターに、新たに7インチ仕様が加わったことにある。これはPanasonicのタブレットモニター「タフパッド」で、軍用にも使用される頑丈な設計が特長である。また、機能面の特長としては、3種類あるトランスジューサ全てでパルスドプラ法による血流の定量評価が可能なこと、自動カウンティング技術を搭載した肺エコーソフトウェア「B-Lineカウンティング機能」を搭載したことが挙げられる。
●CT装置「Spectral CT7500」
CTエリアでは、昨年から今年にかけて発表された2台のCT装置の技術的なトピックなどを、特設モニターにて紹介した。二層検出器スペクトラルCT「Spectral CT7500」は、昨年7月に国内販売を開始し、今回がITEM初展示となる。同装置は、標準寝台が従来比で約1.4倍の体重に対応する検査寝台に進化し、ガントリー開口部が80㎝に広がるなど、数多くのブラッシュアップを受けている。その他、昨年4月に発表した「Incisive CT Premium」の特長であるAI画像再構成機能やAIカメラなどの有用性などを、担当者が来場者にわかりやすく解説していた。
その他、Image Guided Therapyエリアでは、AR技術を用いた外科用ナビゲーションを組み合わせた血管撮影装置「Azurion」の概要を紹介。今年6月の発売を予定する脊椎用ナビゲーションシステム「ClarifEye」を先行公開した。ハイブリッド手術室の透視装置に搭載される同システムは、フラットディテクタに配されたカメラによって術野を認識し、透視画像とナビゲーションそれぞれの情報を拡張現実にて統合して、手技をサポートする。