エルピクセル/胸部CT画像の読影を支援するEIRL Chest CTの販売を開始

 エルピクセル(本社:東京都千代田区)は、4月4日、胸部 CT 画像の肺野領域において、観察対象の領域(関心領域)を抽出し、その体積と最大径を測定するEIRL Chest CTについて、「医薬品、 医療機器等の品質、 有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」に基づき、 指定管理医療機器の製造販売認証を取得し、 販売を開始した。
 本製品は、胸部CT画像から肺野領域の組織について、使用者が設定した基準値に基づくCT値から「関心領域」を抽出し、その体積と最大径を自動計測する。計測した最大径が閾値以上となった場合には、画像上に色付けして表示する。この抽出・計測・表示機能は、医師が胸部CT画像を対象に読影診断を行う際に併用することで、肺野周辺組織とCT値が異なる肺結節等の視認性向上に寄与することが期待される。

【 EIRL Chest CT の開発背景】
 肺がんは、日本における死因第一位である悪性新生物(腫瘍)で、高い死亡数・死亡率を示している(1)。こうした状況を改善するためには、何よりも早期発見と早期治療が肝要であり、肺がんが疑われる肺結節を早期に発見する目的で、胸部X線検査やCT検査が実施されている。一般に、自治体や事業所等の定期健康診断で行われる胸部X線検査において、何らかの所見が認められた場合には、精密検査として胸部CT検査を行う。また、入院患者のフォローアップとして定期的に胸部CT検査が行われるなど、医療施設では定常的に胸部CT検査が行われている。
 日本CT検診学会が示す「読影の留意点」の一つとして、肺がん(肺結節)について「10 mm を超えても見落とす事あり(2)」と指摘されるなど、胸部CT検査には高い精度の維持が求められている。しかしながら、医師の業務逼迫等により1症例にかけられる読影時間には限度がある。さらに、見落としや誤診を防ぐための「二重読影」を実施していない医療施設は3割以上に及ぶとされている(3)。
 そこで、エルピクセルでは、胸部 CT 画像の肺野領域において肺結節候補域を観察対象の領域(関心領域)として抽出し、その体積と最大径を測定することで、医師の読影診断を支援するソフトウェアの開発に取り組んだ。

1)厚生労働省「令和2年(2020)人口動態統計月報年計」( https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai20/dl/h7.pdf )
2)日本CT検診学会「低線量CT による肺がん検診の肺結節の 判定基準と経過観察の考え方 第5版」
( https://www.jscts.org/pdf/guideline/gls5th201710.pdf )
3)人間ドック学会「本学会会員施設における低線量CT肺がん検診の実施状況に関する調査報告」
( https://www.jstage.jst.go.jp/article/ningendock/33/5/33_739/_pdf/-char/ja )

問い合わせ先=エルピクセル 営業本部
TEL:03-6259-1713 
Mail:eirl-cs@lpixel.net


その他の記事

オリンパス/胃・大腸がん検診と内視鏡検査に関する意識調査を実施(24.7.12)

オリンパスは、全都道府県別の 40~60 代男女計 14,100 人を対象とした、「胃・大腸がん検診と内視鏡検査に関する意識調査白書 2024」を発行した。本調査は、「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」を目指すオリンパスが、社会貢献活動の一環として、がん検診および内視鏡検査について、一般市民に理解を深めてもら…

島津製作所/高度専門人財を認定するオープンバッジを導入 社員の専門性獲得を支援(24.7.12)

島津製作所は、7月から同社の成長に必要となる高度な国家資格や社内資格を認定するデジタル証明書「オープンバッジ」を導入する。保有する資格・スキルの可視化によって、社員の学習意欲の向上とキャリア形成を支援する。 オープンバッジとは、知識・スキルのデジタル証明である。ブロックチェーン技術により偽造・改ざ…

シーメンス/EcoVadis Sustainability Rating 2024でプラチナメダルを受賞(24.7.12)

シーメンスは最新のEcoVadis Sustainability Ratingで80ポイントを獲得し、最高の評価であるプラチナメダルを受賞した。 このスコアにより、このテクノロジー企業は、ビジネスのサステナビリティ評価の大手プロバイダーであるEcoVadisが世界中で評価した約73,000社のうち上位1パーセントにランクされている。 2021 年以…

インターシステムズ/医療安全と医療従事者の働き方改革を支援する 「医療デバイスモニタリングソリューション」を開発(24.7.9)

インターシステムズジャパンは、医療向けデータプラットフォーム製品 InterSystems IRIS for Healthを基盤に、医療安全と医療従事者の働き方改革を支援する「医療デバイスモニタリングソリューション」を開発し、2024年7月10日(水)~12日(金)に東京ビッグサイトにて開催される「国際モダンホスピタルショウ2024」に参考出…

エレクタ/放射線治療のさらなる発展と人材育成を目指し、 帝京大学医学部附属病院と「パートナーシップ包括契約」を締結(24.7.9)

帝京大学医学部附属病院(東京都板橋区)とエレクタ(東京都港区)は、放射線治療のさらなる発展と人材育成を目的とした「パートナーシップ包括契約」を締結した。 日本では人口の高齢化などにより、がんに罹患される方が増え続けている。2023 年のがん罹患者数は約 103 万人で、日本人の 2 人に 1 人が一生のうちにが…

アライドテレシスとBBバックボーン/利便性と安全性の高い医療機関向け統合ネットワークの実現に向けて協業~高品質な音声通話の提供を強化(24.7.8)

アライドテレシス(本社 東京都品川区)とビー・ビー・バックボーン(本社 東京都港区、以下「BBバックボーン」)は、医療における利便性と安全性の高い統合ネットワークと音声通話を強化したネットワークの提供を目指し、協業を開始した。医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に向けて、データ通信にアライ…

島津製作所/走査型電子顕微鏡大手のTESCAN社と業務提携 今秋に同社製品を日本国内で発売へ(24.7.8)

島津製作所は走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、以下SEM)大手メーカーであるチェコ共和国のTESCAN GROUP, a.s.(以下TESCAN社)と業務提携契約を結んだ。同社の主力である分析計測製品のラインアップにTESCAN社のSEMを加え、今秋に日本国内で発売を開始し、既存製品とのシナジーを創出していく。 TESCA…

キヤノン/小型テラヘルツデバイスに関する論文が マイクロ波分野に関する世界有数の国際学会から最優秀論文賞を受賞(24.7.4)

キヤノンは、マイクロ波分野に関する世界有数の国際学会である IEEE MTT-Sが出版するテラヘルツ波の専門誌 『IEEE Transactions on Terahertz Science and Technology』において、日本企業として初めて最優秀論文賞(Best Paper Award)を受賞した。この賞は、ラジオ波・マイクロ波などの高周波電波の分野において技術的…

富士通/新規開業医や新規に電子カルテを導入する診療所向けに新たなクラウド型電子カルテサービス「HOPE LifeMark-TX Simple type」を提供開始(24.7.1)

富士通Japanは、医療データの利活用により診療所のDXを加速するため、診療所向けに、同社が提供する国内市場でトップシェアの電子カルテシステムと医事会計システムを統合したクラウド型電子カルテサービス「HOPE LifeMark-TX Simple type」を7月1日より提供開始する。 同サービスは、新規開業医や新たに電子カルテ導入…

富士フイルム/がん検診を中心とした健診センター「NURA(ニューラ)」をベトナムに展開(24.7.1)

 富士フイルム(本社:東京都港区)は、がん検診を中心とした健診センター「NURA(ニューラ)」をベトナムに展開する。新拠点は、東南アジア地域での「NURA」初拠点として、7月1日にベトナムのハノイにオープンする。ベトナムで医療機関「T-Matsuoka Medical Center」を展開する「VIETNAM JAPAN HEALTH TECHNOLOGY …

富士フイルムメディカル/富士フイルムヘルスケアの国内営業部門を統合(24.7.1)

富士フイルムメディカル(本社:東京都港区)は、7月1日、富士フイルムヘルスケアの国内営業部門を統合する。また、富士フイルムメディカルの子会社であり医療機器・システムの保守サービスなどを担う富士フイルムメディカルサービスソリューション(本社:東京都港区)は、富士フイルムヘルスケアの医療用機器・システムの…

神戸大学、ドコモ、NTT Com、メディカロイド、神戸市/国内初、安定した通信を提供する「5Gワイド」を用いた遠隔ロボット手術支援の実証実験に成功(24.6.24)

国立大学法人神戸大学(以下、神戸大学)、NTTドコモ(以下、ドコモ)、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)、メディカロイド、神戸市は、5G SA(スタンドアローン)の商用ネットワークにおいて、混雑エリアや時間帯においても安定した通信を実現する「5Gワイド」を活用し、無線の混雑環境下で若手医師のロボット手術を熟練…

JAHIS第14期定時社員総会レポート(24.6.20)

保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)は6月11日、経団連会館(東京・千代田区)において、第14期定時社員総会を開催した。同総会では、2023年度事業報告に加え、2023年度計算書類及び監事監査結果報告、2024年度事業計画、2024年度収支予算、役員選任・補欠役員選任、定款改定が審議され、満場一致で承認された。この…

富士フイルムと順天堂医院/AI技術を用いた外来患者向け転倒リスク予測技術を共同開発(24.6.17)

富士フイルム(本社:東京都港区)と順天堂大学医学部附属順天堂医院(所在地:東京都文京区、以下順天堂医院)は、院内の多様な医療データを一元的に管理できる富士フイルムの医療機関向け統合診療支援プラットフォーム「CITA Clinical Finder(シータ クリニカル ファインダー)」内の診療データを基に、AI技術を用いて…

NTTデータ/日本初、次世代医療基盤法に基づく医用画像データの提供開始(24.6.17)

次世代医療基盤法に基づく認定事業者である一般社団法人「ライフデータイニシアティブ」(以下、LDI)と「 NTT データ」は、クラウド型医療用画像管理システム大手である「PSP」 と、次世代医療基盤法に基づき、匿名加工医療情報としてエックス線画像などの医用画像データの提供を 10 月から開始する。本件に関する問い合…

TOPへ