シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス/遺伝子検査事業に参入。新型コロナウイルス検出PCR検査用試薬の販売開始
シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス(東京都品川区)は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を検出する体外診断薬「FTD SARS-CoV-2(エフティーディー・サーズ・コヴ・トゥ)」を2021年12月27日から受注開始する。これにより当社は、日本において病原体遺伝子検査領域へ事業参入することになる。
DNAの塩基配列を解析しさまざまな情報を得ることが可能な遺伝子検査は、その目的に応じて病原体遺伝子検査(病原体核酸検査)、ヒト体細胞遺伝子検査(体細胞遺伝子検査)、ヒト遺伝学的検査(遺伝的検査)の3つに分類される。医療施設で実施される遺伝子検査の大半が病原体遺伝子検査(病原体核酸検査)及びヒト体細胞遺伝子検査(体細胞遺伝子検査)である。
Siemens Healthineers AG(ドイツ)は2018年に、ウイルスや細菌等の病原体を特定する病原体遺伝子検査(病原体核酸検査)に対する試薬の幅広いポートフォリオを有するFast Track Diagnostics社(ルクセンブルク)を買収し、その後、Fast Track Diagnostics(FTD)をブランド名とした事業を世界各地で展開してきた。今回、日本で「FTD SARS-CoV-2」の販売を開始することにより、国内における病原体遺伝子検査事業に参入する。
<特長>
優れた感度
FTD SARS-CoV-2は、デュアルターゲットのリアルタイムPCRにより、優れた病原体検出性能を発揮する。全世界で販売されている新型コロナウイルス核酸検出リアルタイムPCRキット117製品について、FDA(米食品医薬品局)が感度および検出限界(LoD)を調査した結果、上位5製品として評価された※1。これらの調査項目はFDAがCOVID-19に対する緊急使用許可(EUA)を発行する際に要求している項目である。また、本品は世界保健機構(WHO)の緊急使用リストに追加されている※2。
※1 https://www.fda.gov/medical-devices/coronavirus-covid-19-and-medical-devices/sars-cov-2-reference-panel-comparative-data#results
※2 EUL-0502-193-00 WHO EUL Public Report March 2021, version 2.0
信頼性の高い精度管理を実現
分析性能保証として、陰性及び陽性コントロールで汚染の有無を確認し、RT-PCR反応、プライマー及びプローブの性能をモニターすることができる。さらには同梱された核酸抽出・PCRの検証用インターナルコントロールで検体の核酸抽出過程をモニターすることにより、PCR増幅阻害の有無も確認する。これらによりRNAの抽出、RT-PCR反応、増幅、検出といったリアルタイムPCR検査の全過程において信頼性の高い精度管理を実現する。
オミクロン株にも対応
アルファ株やデルタ株など急速に変異するSARS-CoV-2は、単一の領域をターゲットとした試薬では、変異によってSARS-CoV-2を検出できない可能性がある(偽陰性 )。FTD SARS-CoV-2は、SARS-CoV-2に特異的なORF1ab遺伝子と、変異が起こりにくい配列であるN遺伝子の2つをターゲットとするデュアルターゲットデザインで、世界的に懸念される変異(VOC)に追加されたオミクロン株についても検出できることが確認されており、より正確な感染状況の把握に貢献する。
問い合わせ先=シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス コミュニケーション部
TEL: 090-7703-3276
E-mail: haruka.honda@siemens-healthineers.com