NEC/医療DXに向け新たなクラウドサービスを提供開始
NECは、医療デジタルトランスフォーメーション(DX)に向けて、クラウドサービスの事業を強化し、2021年11月から新サービスを順次提供開始する。
具体的には、政府のガイドラインに準拠したクラウド環境により、医療機関を支援するサービスと電子カルテシステムを安全・安心に接続可能な「MegaOak Cloud Gateway」を提供する。さらに、医療機関を支援するサービスの第一弾として、医療機関・患者・家族間のオンラインでのコミュニケーションを実現する「MegaOak Telehealth」、院外からの問診情報入力を可能にする「MegaOak Template for 問診」、音声認識を活用し医療機関での事務業務の効率化を実現する「MegaOak Voice Assist」の3種を、「MegaOak Cloud Gateway」を通じて提供する。NECは、これらのクラウドサービスについて、2025年度末までに200施設以上への導入を目指す。
【新サービスの概要】
1.医療機関を支援するサービスと電子カルテシステムを安全・安心に接続するクラウドセキュア接続サービス「MegaOak Cloud Gateway」
本サービスは、医療機関を支援するクラウドサービスと電子カルテシステムを安全・安心かつシームレスに利用できるものである。3省2ガイドラインに準拠したクラウド環境と、接続における認証などの高度なセキュリティの提供により、医療機関はセキュアな環境において、NECのクラウドサービスだけでなく他社クラウドサービスの利用も可能となる。また、標準的データ連携にも対応しており、医療機関における将来的な医療データ利活用への取り組みにも応用できる。
■サービス名 :MegaOak Cloud Gateway
価格(月額、税別):35,000円~(注1)
販売開始時期 :2021年11月
2.地域中核病院を核とした患者・家族・医療機関間での連携の高度化を実現するオンライン診療・カンファレンス支援サービス「MegaOak Telehealth」
本サービスは、ビデオ通話によるオンライン診療機能と、患者・家族・医療機関間のコミュニケーションを組み合わせ、地域中核病院を核とした情報連携を強化するもの。医療機関の電子カルテシステムの外部接続が可能となり、患者本人の同意の上、地域の医療従事者間との利用にも広げることで、患者、地域の病院・クリニック等との距離を越えた円滑なコミュニケーションを実現し、地域中核病院を核とした各医療機関との安全で効率的な情報連携を支援する。
本サービスを利用することで、クリニックから地域中核病院への紹介時には直接オンラインで地域中核病院の予約が可能となり、患者情報の安全かつスムーズな連携を実現する。過去の実証では、本サービスを活用し患者一人当たりの予約作業時間を約65%削減できることを確認している。さらに、専門医の非常勤先病院の患者へのオンライン診療を可能とし、医師の移動時間をゼロに削減するなど、医師の働き方改善に寄与することを確認している。また、政府は昨年度の診療報酬改定にて、転院時などに退院調整をオンライン上で柔軟に実施することなどを推進している。本サービスにより、地域中核病院からリハビリ施設や介護施設などの転院先医療機関との転院調整や退院後のフォローをオンラインによるコミュニケーションを活用し行うことが可能となる。過去の実証では、本サービスを活用し地域中核病院が退院調整を行うことで、患者一人当たりの転院調整時間を約30%削減できることを確認している。これらにより、医療従事者の業務負荷軽減や新たな働き方を支援する。
■サービス名 :MegaOak Telehealth
価格(月額、税別):148,800円~(注1)
販売開始時期 :2021年11月
3.患者の手持ちスマートフォンから遠隔で問診情報の入力を可能とするデジタル問診サービス「MegaOak Template for 問診」
本サービスは、従来紙で行なっていた問診票記入を、患者自身のスマートフォンや院内で用意したタブレット端末等を使用し、院内外から問診情報を入力可能とするものである。設問内容を柔軟に設計でき、設問は患者の回答内容によって次に表示される設問が変わる仕組みのため、無駄なく最小限の項目での入力環境を提供する。また、病院共通設問については院内で共有されるため別の診療科において再度入力の手間を無くすことが可能となる。
これにより、患者は事前に問診入力ができ、共通設問の回答情報が院内で共有されるため、院内の待ち時間の短縮を実現する。また、医療機関においては受付やヒアリングの業務時間の軽減、待合室の混雑緩和を実現する。
■サービス名 :MegaOak Template for 問診
価格(月額、税別):88,000円~(注1)
提供開始時期 :2021年11月
4.音声認識を活用し記録業務を支援する音声サポートサービス「MegaOak Voice Assist」
本サービスは、医療に関する専門用語に対応した音声認識エンジンを搭載することで、看護師の発話内容を高精度でテキストに変換し、効率的に電子カルテシステムへの転記を可能とする。これにより、看護師は患者に対するケアや治療経過などの情報を、発話を通じて場所を選ばず記録することができ、多くの時間を要する看護記録業務を軽減し患者へのより質の高い看護に注力することができる。過去の実証では、これまで看護師がすべて手入力していた看護記録業務における入力時間を約50%削減できることを確認している。
■サービス名 :MegaOak Voice Assist
価格(月額、税別):161,200円~(注1)
販売開始時期 :2021年11月
(注1) 別途、初期導入費用(システム環境構築費用など)は必要となる。
問い合わせ先=NEC 医療ソリューション事業部
E-Mail:press@med.jp.nec.com