富士フイルム/「FUJIFILM DR CALNEO CROSS(カルネオ クロス)」新発売
富士フイルム(本社:東京都港区)は外科手術時にX線動画(以下、X線透視)と静止画の撮影が1台で対応可能な軽量X線透視診断装置「FUJIFILM DR CALNEO CROSS(カルネオ クロス)(以下、CALNEO CROSS)」を富士フイルムメディカル(本社:東京都港区)を通じて10月11日より発売する。
高齢化の進行により、骨粗しょう症による骨折や椎間板ヘルニアなどの運動器疾患を抱える患者が増加するなか、整形外科手術では出血量を抑えるため患部を大きく切開せず、患者への負担が少ない低侵襲治療を選択する傾向にある。椎間板ヘルニアの手術などの一般的な整形外科手術は、術中に外科用Cアーム型X線透視診断装置(以下、外科用Cアーム)を用いて患部の状態をX線透視し、得られた動画を確認しながら行われる。また、手術後には、手術の仕上がりやガーゼなど体内の残存物の有無を確認するためにX線回診車※1を用いたX線静止画撮影が術場で行われる。そのため、手術室内に外科用CアームとX線回診車をそれぞれ配置する必要があり、また術後にX線静止画撮影のために装置を入れ替える必要があった。
今回発売する「CALNEO CROSS」は、1台でX線透視とX線静止画の撮影が可能。検出部には当社のカセッテサイズデジタルX線画像診断装置(以下、カセッテDR)「FUJIFILM DR CALNEO Flow(カルネオ フロー)※2を採用することで、高画質・低線量を実現した。X線透視を必要とする手術の後に、同じ装置でX線静止画の撮影が可能なため、装置を入れ替える必要がない。そのため、ワークフローの大幅な効率化が見込めるとともに、手術室内に複数の装置を配置する必要がなく、手術室のスペースを広く使える。
また、一般的に外科用CアームはカセッテDRをセットするパネルホルダーがアーム部に固定されているため、カセッテDRのサイズ選択ができない。一方「CALNEO CROSS」は、パネルホルダーを取り外すことができ、ユーザーが3種類のサイズのカセッテDR(10×12、14×17、17×17インチ)から手術の目的に応じて適切なサイズを選択し、簡単にセットして撮影することができる。
さらに、本体を当社従来品より、約30%軽量化し※3、コンパクトなシステムを実現。さまざまな機器を配置して手狭になりがちな手術室内でもワーキングスペースを確保できる。また、「CALNEO CROSS」本体に急速充電リチウムイオンバッテリーを内蔵。術者が透視画像を確認するための拡張モニター(モニターカート)※4への画像転送や、足で透視撮影のコントロールが可能なフットスイッチ※4の操作を無線で行える、ケーブルレス化を実現した。スペースの限られる手術室内で、装置設置の自由度や操作性が向上し、術者の安全・快適な手術環境の確保に貢献する。
操作パネルやハンドスイッチなど、高頻度で人の手が触れる部分には、富士フイルムの抗菌コート技術「Hydro Ag(ハイドロエージー)」※5のコーティングを施している。操作パネルは凹凸が少なく汚れをふき取りやすいデザインで、表面に付着した汚れを落としやすく清潔で衛生的に使用できる。
※1 移動型デジタルX線撮影装置
※2 販売名:デジタルラジオグラフィ DR-ID 1800、認証番号:302ABBZX00021000号
※3 本製品CALNEO CROSS 重量 約249kgに対し、当社従来品X線透視診断装置Core Vision SD重量 約347㎏。
※4 モニターカート、フットスイッチはオプション品。
※5 2014年7月に当社が開発した抗菌コート技術。従来の銀系抗菌剤を使った抗菌コートに比べて約100倍の抗菌性能を実現。
問い合わせ先=富士フイルムメディカル 営業本部 マーケティング部
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