富士フイルム/「胸部X線画像病変検出ソフトウェア CXR-AID」新発売
富士フイルムは、AI技術※1を活用して胸部単純X線画像から結節・腫瘤影、浸潤影、気胸の3つの画像所見を検出し医師の画像診断を支援する「胸部X線画像病変検出ソフトウェア CXR-AID(シーエックスアール エイド)」の薬機法※2における製造販売承認を取得した。本ソフトウェアを、当社の医用画像情報システム(PACS)「SYNAPSE(シナプス)」※3および、画像診断ワークフローを支援するAIプラットフォーム「SYNAPSE SAI viewer(シナプス サイ ビューワ)」※4で利用可能なアプリケーションとして、富士フイルムメディカルを通じて本日発売する。
胸部単純X線検査は健康診断や日常診療において、さまざまな胸部疾患の診療に利用されている。
結節・腫瘤影は、X線画像に写る類円形の陰影で、肺がんが疑われる所見である。また、浸潤影は、境界の不明確な陰影で、主に肺炎や結核などの感染症に見られる画像所見である。気胸は、肺に穴が開くことで肺がしぼんでいく病気で、胸部X線画像では、肺と胸腔の間に空気領域が認められる。肺がんや肺炎、気胸は、発見が遅れると重篤化する可能性があることから、早期発見が重要である。
しかし、胸部単純X線画像では骨や血管などがすべて重なって写るため、病変を視認しにくいケースがある。また、健康診断など、膨大な数の画像を医師が読影する中で見落としなく検出するには高い集中力を要する。そのため、医師の負担を軽減し、効率的な画像診断ワークフローを支援するソリューションが求められている。
「胸部X線画像病変検出ソフトウェア CXR-AID」の特長
撮影した胸部単純X線画像を自動解析し、結節・腫瘤影、浸潤影、気胸が疑われる領域を検出しマーキングする。その領域を医師が再確認することで、見落し防止を支援する。
(1)ヒートマップ表示、スコア表示機能
結節・腫瘤影、浸潤影、気胸の候補領域を検出し、それらの異常領域の存在の可能性(確信度)を青から赤までのグラデーションカラーで表示する。確信度が低いほど青く、高いほど赤く表示される。また、各検出領域に対応する確信度の最大値をスコアで表示する。
(2)3つの画像所見に対応
本ソフトウェアの検出対象は、主要な肺疾患の画像所見である結節・腫瘤影、浸潤影、気胸の3所見。健康診断や日常診療などにおけるさまざまな胸部単純X線検査で幅広く活用が可能。
「胸部X線画像病変検出ソフトウェア CXR-AID」の構成例
CXR-AIDをインストールしたPC(処理ユニット)を、当社医用情報画像システム(PACS)「SYNAPSE」等に接続することで利用できる。
SYNAPSEサーバーから転送された胸部単純X線画像を解析し、処理結果の画像をサーバーに送信する。処理結果の画像はサーバーに保管され、SYNAPSEクライアント端末で元の胸部単純X線画像と合わせて表示、確認することができる。結果は「SYNAPSE」または「SYNAPSE SAI Viewer」で表示する※5。
※1 AI技術のひとつであるディープラーニングを設計に用いた。導入後に自動的にシステムの性能や精度が変化することはない。
※2 薬機法:医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律。
※3 SYNAPSE Enterprise-PACS
販売名:富士画像診断ワークステーション用プログラム FS-V678型
※4 SYNAPSE SAI viewerは以下の医療機器を含む製品の総称。
SYNAPSE SAI viewer用 画像表示プログラム
販売名:画像診断ワークステーション用プログラム FS-V686型
SYNAPSE SAI viewer用 肺結節検出プログラム
販売名:肺結節検出プログラムFS-AI688型
SYNAPSE SAI viewer用 画像処理プログラム
販売名:画像診断処理プログラム FS-AI683型
※5 結果を表示するにはSYNAPSEまたはSYNAPSE SAI viewer側の設定が必要。
問い合わせ先=富士フイルムメディカル 営業本部 マーケティング部
TEL:03-6419-8033