医療機器サイバーセキュリティ協議会/サイバー犯罪に対する演習をオンライン上で開催
医療機器サイバーセキュリティ協議会は、5月19日、オンライン上で第6回医療機器サイバーセキュリティ協議会を開催した。
同協議会は、2019年9月に設立されたもので、医療機器ベンダー、セキュリティベンダー、医療機関、関係府省などから有志が参加。各分野、領域の専門家が、医療ITのセキュリティ向上のために、現場視点ならではのリスク、課題の提示、そしてそれらに向けての対応策について、フラットに議論することを目的に活動を続けている。
第6回目となる協議会では、トレンドマイクロ社が開発したインシデント対応ボードゲームを利用し、オリンパスやシスメックス、トレンドマイクロや東京大学医学部附属病院、千葉大学医学部附属病院などから集まった参加者らが3つのグループに分かれて演習を実施。発生しているインシデント、またはその兆候についての事実確認および影響度を確認し、トリアージを検討。実施すべきアクションを洗い出すところまでを議論し、その内容を発表、総括することでインシデント対応への理解を深めていた。
演習の後、鳥飼幸太氏(群馬大)が「医療機器を含めた情報セキュリティ向上の重要性」と題した講演を行った。鳥飼氏は、国内外の医療機関におけるセキュリティの現況について説明し「医療機関において情報セキュリティは危機的な状況にある。サイバー犯罪は、単にデータの漏洩や金銭を奪われるだけでなく、人の生死にまで影響を与えるようになっている」とその危険性を強調。同協議会の活動について「サイバーセキュリティ協議会では、業種の枠を越えて活動することで、課題提供しながら、インシデントのオープンな共有や活動課題が公共的なものにエスカレーションできればいいと考えている」と述べた。