シーメンスヘルスケア/Shaping the future of healthcare

シーメンスヘルスケア/Shaping the future of healthcare

https://www.siemens-healthineers.com/jp

シーメンスヘルスケア(以下、シーメンス)は、「Shaping the future of healthcare」(ヘルスケアの未来を切り拓く)をテーマに、デジタル変革により医療業界が抱える課題を解決し、患者個々に最適かつ高品質な医療の提供を支援する数々の製品を展示した。その中から、特に注目度の高かったシステムを紹介する。

●遠隔検査プロトコル支援システム「syngo Virtual cockpit」
診療放射線技師に対してリアルタイムにプロトコル支援をするシステム。具体的には、検査に関する撮影の相談やアドバイスを遠隔的に行うもので、CTやMRIなどの操作画面を端末で共有した上で、音声やチャットにより、エキスパート技師が他の技師に対して指示や指導を行う。その際、端末3台が同時にオペレーションを行うことができる。

●AI画像解析ソフトウェア「AI-Rad Companion」
AIを搭載したクラウドベースの拡張型ワークソリューションで、現場の基本的なルーチン作業の負担低減により、読影における診断精度の向上を支援する。「AI-Rad Companion」には現在、以下の4つの機能がある。
①Chest CT(胸部全体のCT画像から肺結節や大動脈など複数の臓器を一度に解析し、定量レポートを生成する)
②Brain MR(頭部MR画像から脳の各部位を自動的にセグメンテーションし、それらの部位のノーマルデータベースとの比較により、異常のリスクを解析結果画像と定量レポートの形で提供する)
③Prostate MR for Biopsy(MR画像から前立腺のセグメンテーションや体積粗計測を行い、放射線科医がマークした病変の位置を泌尿器科に伝えることで、適切な位置での生検実施を支援する)
④Organs RT(CTで撮影された臓器の輪郭の自動描画により、放射線治療計画のワークフローを支援する)

●デジタルエコシステム「teamplay digital health platform」
画像診断装置の稼働率や線量の管理等、放射線科業務の可視化など、さまざまな分析が可能な医療クラウドプラットフォーム。同プラットフォーム上では、他社のアプリケーションも稼働可能で、既にいくつかのコラボレーション例がある。その最新例が、2021年4月8日に発表された眼科画像AI画像診断サービス「DeepEyeVision」(DeepEyeVision社)との連携である。プレス対象のブース説明では、自治医科大学準教授で同社代表取締役の高橋秀徳氏が同サービスについて解説を行った。

●【新製品】X線CT装置「SOMATOM X.cite」
本来は2020年のITEMに展示する予定だった最新装置で、今回が国内での実機初展示となる。医療現場では既に恩田病院(アジア第1号機)などで稼働を開始している。「SOMATOM X.cite」の最大の特徴は、検査関連の操作を全てタブレットで行える点にあり、曝射もリモートコントロールで操作できる。このため、新型コロナウイルス感染症の検査を、医療従事者の感染を避け、しっかりとゾーニングをした上で行うことができる。また、撮影範囲はAIが自動認識し、撮影終了後のMPR画像もAIが推奨したもので構成される点も、装置の特長として挙げられる。

●MRI装置「MAGNETOM Lumina」
ITEM2021では、3テスラMRI「MAGNETOM Lumina」の実機でMRI検査に関する操作等を来場者が実体験できるようにし、ワークステーションの2モニターで画像デモンストレーションを実施した。「MAGNETOM Lumina」は、新技術の「バイオマトリクス」(装置が被検者に合わせて検査を最適化する技術)が搭載可能な装置であり、ブースでは来場者向けにその説明もなされた。また、新たな試みであるAI画像技術を使用した画像再構成ソフトウェア「Deep Resolve」についても、概要や効果等の解説が行われていた。

●Image-Guide Therapy
実機としては、FD搭載モバイルCアームイメージングシステム「cios Spin」を出展。「cios Spin」は、移動型のコンパクトCアーム装置でありながら、コーンビームCTが撮影できる点が最大の特徴となる。具体的には、「cios Spin」ではアンギオ装置同様に1回の回転で高品質な画像を撮影することができ、特に脊椎や脊髄の検査において有用性を発揮する。このコーナーでは他に、PCI用支援ロボット「CorPath GRXシステム」も展示。なお、血管撮影装置「ARTIS icono D-Spin」は、装置の操作等を体感できるシミュレーターという形で展示した。


●【新製品】アドバンスト・モビリティ・ソリューション「Medical-Connex」
「患者と医師がつながる」、「いつどこにいても質の高い医療につながる」ことをコンセプトに、シーメンスが国内で開発・設計した新しいモビリティ・ソリューション。今回のブースでは、車両の模型及びモニターにてソリューションの概要や特長が紹介されていた。検査用車両には、タブレット操作によるCT、超音波画像診断、検体検査(生化学・免疫)の装置やAIソフトウェアなどを搭載し、各検査情報はシーメンスの高セキュリティなネットワークを介してクラウド上にアップされ、医療機関が参照することにより、場所や時間を限定しないオンライン診療が可能となる。「Medical-Connex」は、救急災害医療やコロナ禍による感染症対策の発熱外来、巡回診療などでの活用が期待される。
なお、シーメンスは2021年4月2日、「Medical-Connex」の第1号機を伯鳳会グループの東京曳舟病院に導入することで合意に達したことを発表している。


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