キヤノンメディカルシステムズ/高画質・低線量のデジタル X 線 TV システム「Astorex i9」の国内販売を開始
キヤノンメディカルシステムズ(本社 栃木県大田原市)は、コンパクト設計ながら多くの新機能を搭載し、多目的に検査ができる透視寝台のデジタル X 線 TV システム「Astorex i9(アストレックス アイ9)」を新たに開発し、4 月 16 日から国内販売を開始する。
Astorex i9 は、キヤノン製平面検出器「i-FPD*」を採用し、新規開発した画像処理装置「i-DR*」を組み合わせたキヤノンの新しいデジタル X 線 TV システムである。理想の X 線 TV システムとは何かを、ユーザーである医師、技師、そしてキヤノンで徹底的に追求し、製品化した。
近年、X 線 TV システムは、消化器科におけるバリウム検査の他、内視鏡を使って胆管・膵管を造影する検査 ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)や、泌尿器科、整形外科や麻酔科での処置や検査など、多くの診療科で透視を使った検査・処置・治療に活用されており、高画質で低被ばくかつ多目的に使用できる装置が求められている。
Astorex i9 はトモシンセシス機能「i-slice」を搭載し、2 次元での診断情報に加え、奥行き方向にスライス情報を持ったデジタル断層撮影が可能。CT 室に移動することなく、透視検査の手技中に断層情報が得られる。立位での撮影も可能で、荷重状態の断層画像が撮影できる。新機能の「i-fluoro」は、天板や映像系(X 線管-FPD)の機械的な動作を行うことなく透視中に必要な視野移動を実現する。内視鏡併用検査でスコープが体内に入っている状況や、椎体穿刺など穿刺の手技において患者に振動のない視野移動を可能とし、より安全な検査環境を提供する。さらに、長尺撮影「i-stitch」、DSA(Digital Subtraction Angiography)(オプション)のほか、多くの新機能・新設計を有しており、幅広い透視検査に対応する。また、Ⅹ線 TV システムにおいて高画質で低被ばくの検査を実現するためのコンセプトである「octave」は、今回 i-FPD、i-DR に合わせて、octave を支える 8 つの技術のバランスをさらに見直し「octave i」に進化した。粒状性のよい、クリアな透視像を提供する octave i は、これまで以上にストレスのない手技とさらなる低線量検査を提供する。
新製品の主な特長
(1) コンパクトな寝台で多目的検査に対応できる幅広い動作範囲を実現
寝台はコンパクトで、検査室内の占有スペースが小さく、術者や検査スタッフに広いワークスペースを提供する。
映像系長手動の移動範囲は 162cmと大きく、天板左右動は±15cm可能で、広い視野範囲が X 線 TVシステムの検査の幅を広げる。
(2) 高画質で低被ばくを実現する octave i を搭載
独自のリアルタイム画像処理技術と低線量検査のためのアイテムにより、従来比で照射線量を約 65 %低減する。パルス透視のフレームレートに関わらず、高画質と低線量の両立を実現し、低線量検査の取り入れやすさを提供する。
(3)i-fluoro による安全な透視視野の移動を実現
天板や映像系の機械的な動作を行うことなく透視中に視野移動をすることができる。寝台の映像系や天板の移動に伴う細かな振動さえも感じることなく、見たい患部へ視野を移動して観察できる、患者にやさしい、術者の安全な手技をサポートする最新の機能である。
*FPD(Flat Panel Detector) ︓ 平面検出器
*DR(Digital Radiography) ︓ 画像処理装置
問い合わせ先=キヤノンメディカルシステムズ 広報室
TEL:0287-26-5100