島津製作所/恒例の「レントゲン祭」第98回はオンラインで開催
島津製作所はヴィルヘルム・レントゲン博士の功績を讃える恒例の「レントゲン祭」の第98回目を、博士の命日である2月10日に開催した。今回は、昨今のコロナ禍の影響を鑑み、初のオンラインによる開催となった。
冒頭、同社 医用機器事業部長の伊藤邦昌氏が挨拶に立ち、同社の最新トピックスを紹介。「世界的な新型コロナの感染拡大の中、肺炎診断のために回診用X線撮影装置の需要が急増している。また、PCR検査用の最新機器や試薬のニーズも多く、これらの増産に取り組むなど、積極的に対応して医療に貢献したい」と述べた。次に上田輝久代表取締役社長が祭祀を読み上げ、レントゲン博士の写真に献花を行った。
引き続き、記念講演2題が行われた。上田克彦氏(日本診療放射線技師会会長)は、「これからの放射線技術と求められる診療放射線技師のあり方」と題して講演。技師会の最近の取り組みとして、医師の業務をタスクシェアするため診療放射線技師による静注路の確保等、侵襲的な業務を引き受けることになるとして、それに対応する追加研修の検討内容を紹介するなどした。
次いで白石順二氏(日本放射線技術学会代表理事)が「これからの放射線技術に必要とされるAIとは?」と題した講演を行い、放射線技術学に必要とされるAI技術について、AIによる医療被ばくの最適化や、一般撮影技術の精度の向上、安全性向上のための工夫など、具体的な機能の開発に対する要望を述べた。
その後、両氏による特別対談が行われ、日本診療放射線技師会と日本放射線技術学会の連携などをテーマに意見を交換した。