JAHIS新春講演会/賀詞交歓会に代えて新春講演会をオンラインで開催
保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)は1月20日、毎年恒例の賀詞交歓会を中止し、新春講演会としてオンラインで開催した。
はじめにJAHIS会長の瀧口登志夫氏が挨拶し、「新型コロナウイルスの流行で社会は大きく変化した。ヘルスケア・デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現に向け、JAHISは標準化の推進活動等に取り組んでいく」と述べた。
その後、厚労省、経産省、総務省の各担当者が、今年の各省におけるヘルスケア関連の取り組みを紹介しながら新年の挨拶を述べた。次いで、山本隆一氏(医療情報システム開発センター)が挨拶し、「新型コロナウイルス感染症対策としての医療情報システムの発展に期待している」と述べた。
新春講演会では、まずJAHIS運営会議議長の色紙義朗氏が「2021年の年頭にあたって」を演題に講演し、JAHISを取り巻く市場環境について説明。特別講演では、二木芳人氏(昭和大)が「新型コロナウイルスの現状と将来展望」を演題に講演。二木氏は、まず世界の感染状況について概要を述べた後、日本の現況を説明。英国における変異種が確認されたことに触れ、「ファクターXがあるから日本人は大丈夫というのは幻想で、未だ脅威が計り知れない新型コロナウイルス感染症を制御するためには、当分の間2類相当の指定感染症に据え置くことが妥当」と述べ、新型コロナを侮る風潮に注意を促した。そして、現在の医療提供体制のひっ迫に対しては、コロナ専用病院を複数指定してリソースを集中すべきと提唱。今後については、私見と前置きしながら「最終的にはHCoV-OC43のような風邪のウイルスに変異し、ほとんどの感染者は軽症で済むようなウイルスとして存続するのではないか。ただし、それまでにはまだ長い時間がかかる」と述べ、個々人の感染防止対策の徹底が必要と警鐘を鳴らした。