次世代健康医療産業創出研究会/医工連携による最先端の研究成果について講演
グローバルヘルスケア財団主催の「次世代健康医療産業創出研究会」が7月2日、東京都大田区区民ホールで開かれた。2010年から始まった同研究会は、医工連携・産学連携による新たな産業創出促進を目的として、今回で11回を迎えた。
プログラムは、髙久史麿氏(日本医学会会長)の開会あいさつに始まり、3つの講演が行われた。
山末耕太郎氏(横浜市大)は、「生体情報センサーと通信の予防医療、在宅医療、介護への活用の現状と今後の課題」をテーマに、現在の予防医療の現状を踏まえ、「少子高齢化の中でパンク状態の大病院に代わり、在宅医療が増加する。介護現場も含め、使いやすいデバイス、通信、ソフトの三位一体が重要だ」と述べた。
河野隆二氏(横浜国大)は、「先端ICT技術による医療機器の研究開発の最前線」について、医療ICTでの医療社会システムの研究開発、教育、標準化、法制化、レギュラトリーサイエンスの重要性を解説。また医療機器の安全検証機関としての「医療機器レギュラトリーサイエンスセンター」設立について説明した。
氏家 弘氏(東京労災病院)は、「医療機関における医工連携-東京労災病院の事例ほか」について経験事例を述べた。また医療機器製品化に対して3点のハードルを挙げた。それは、①医療ニーズと技術ニーズのマッチングの難しさ、②医工連携により製品化された場合でもネックになるPL保険の高額化、治験のコストと時間の長さ、③生産者側に総括製造販売者・責任技術者、品質保証管理者が必要なことであり、これらを乗り越えなければ我が国の医工連携は進まないと明言した。