NEC/「WISE VISION 内視鏡画像解析AI」を日本と欧州で販売開始
NECは、大腸内視鏡用のAI診断支援医療機器ソフトウェア「WISE VISION 内視鏡画像解析AI」を開発し、1月12日から日本における販売を開始した。日本に次いで欧州では近く販売を開始する予定。
本ソフトウェアは、既存の内視鏡機器に接続することで、内視鏡検査時に撮影される画像から内視鏡検査中にAIで病変が疑われる部位を自動検知し、病変の検出を支援する。
大腸がんは日本国内で最も罹患者数が多いがん(注1)であり、欧州域内でも2番目に患者数が多いがん(注2)と言われている。大腸がんは前がん病変(大腸腫瘍性ポリープ)から発生することが明らかになっており、ポリープの段階で内視鏡検査時に見つけ出し摘除することで、大腸がんへの進行を抑制することができる。しかし、ポリープは内視鏡医の肉眼で見つける必要があり、サイズが小さい、形状が認識しにくいなどの場合は発見が難しく、約24%(注3)が見逃されており、発見が遅れる原因となっている。
この課題解決に貢献するため、NECは2016年から国立研究開発法人国立がん研究センター(注4)と連携し、1万病変以上の内視鏡画像を専門医の所見と併せてAIに学習させ、病変が疑われる部位を自動検知するソフトウェアを開発した(注5)。開発にあたってはNECのAI技術群
「NEC the WISE」(注6)及び米国国立標準技術研究所(NIST)において高い評価(注7)を獲得している顔認証技術を応用した。
【本ソフトウェアの特長】
1. 主要3社の内視鏡システムに接続でき、どの検査室でも使用可能
主要内視鏡メーカー3社の内視鏡(注8)に接続が可能。既存の内視鏡と本ソフトウェアを搭載した端末およびモニターを接続するだけで、すぐに利用を開始できる。様々な内視鏡に対応し、準備が容易であるため、院内での移動もでき、検査のある先で効率的に使用することができる。
2.視認性と自由度の高い画面
病変候補位置を通知音とマーキングで伝える。通知音や音量、マーカーの色は利用者の好みに合わせていつでもカスタマイズ可能。視認性の高いユーザーインターフェースで直観的に操作することができ、ストレスなく検査を進めることができる。
(注1) 国立がん研究センター「最新がん統計」
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html
(注2) United European Gastroenterology”Colorectal Cancer”
https://ueg.eu/p/78#
(注3) Rex DK, Cutler CS, Lemmel GT, et al. Colonoscopic miss rates of
adenomas determined by back-to-back colonoscopies.Gastroenterology.
1997;112(1):24-28.
(注4) 理事長:中釜 斉、所在地:東京都中央区
(注5) Yamada M, Saito Y, Imaoka H,et al. Development of a real-time
endoscopic image diagnosis support system using deep learning technology
in colonoscopy. Sci Rep. 2019;9:14465
(注6)
「NEC the WISE」(エヌイーシー ザ ワイズ)はNECの先端AI技術群の名称。
プレスリリース NEC、AI(人工知能)技術ブランド「NEC the WISE」を策定
https://jpn.nec.com/press/201607/20160719_01.html
NECのAI https://jpn.nec.com/ai/
(注7) 米国国立標準技術研究所(NIST)による顔認証技術の性能評価
https://jpn.nec.com/press/201910/20191003_01.html
(注8) 以下の内視鏡との接続性を検証し、動作確認済み。
●オリンパスメディカルシステムズ
(EVIS LUCERA ELITEビデオシステセンターOLYMPUS CV-290)
●富士フイルム(プロセッサーVP-7000)
●HOYA(PENTAX Medical ビデオプロセッサEPK-i7010)
問い合わせ先=NEC デジタルヘルスケア事業開発室
E-Mail:wise-press@med.jp.nec.com