日本メドトロニック/脳深部刺激システム「メドトロニックPERCEPT PC」が保険適用に
日本メドトロニック(本社:東京都港区)は、脳深部刺激システム「メドトロニックPercept(TM) PC」(パーセプト ピーシー、以下Percept PC)が2020年12月より保険適用となったことを発表した。また、Percept PCに搭載された、関連する脳波に応じて脳深部刺激出力を自動調整するaDBS(エー ディービーエス、以下aDBS)機能が世界に先駆けて日本で初めて薬事承認された。
脳深部刺激療法(Deep Brain Stimulation:DBS)は、小さなペースメーカのような機器を前胸部皮下に植込み、脳深部に留置した電極から微弱な電気刺激を送ることで、パーキンソン病をはじめとする神経変性疾患の運動症状(手足のふるえや体の動かしにくさ)を改善する治療法。
Percept PCは、従来の脳深部刺激に加え、同時に、脳波の一種であるLFP(Local Field Potential:局所フィールド電位)を長期的に測定・記録することができるBrainSense(ブレインセンス)機能を搭載している。
脳内におけるLFPの変化は、パーキンソン病の運動症状と相関することが報告されており、この機能により、LFPをバイオマーカーとする客観的なデータに基づいて、それぞれの患者の症状変化に応じた適切な治療を医師が選択できる可能性がある。
さらにPercept PCには、このBrainSense機能に加え、aDBS機能を搭載している。aDBS機能は、BrainSense機能で測定したLFP強度の変化に応じて医師が予め設定した範囲内で刺激出力を自動調整する機能。つまり、症状が出ていると考えられるときには刺激の出力を上げ、逆に、症状が出ていないときには出力を下げるなど、症状の変化に関わらず一定の持続的刺激を行っていた従来のDBSに比べ、より患者の状態に応じた治療を実現できる可能性がある。また、必要十分な刺激で治療を行うことにより、副作用が軽減される可能性も期待されている。
本製品は、欧州で今年1月より、また米国でも7月に販売開始したが、BrainSense機能のみに限定されており、刺激の出力を自動調整するaDBS機能については、2020年12月現在日本でのみ薬事承認取得となっている。
Percept PCは、BrainSense機能とaDBS機能に加え、DBS治療の分野では初めて3Tの条件付きMRI撮像が可能となった。今までの1.5Tの条件付き全身撮像に加え、3Tの条件付き全身撮像にも対応している。また、人間工学に基づいて丸みを帯びたデザインとなり、当社従来品に比べ小型化・薄型化した。
さらに、DBSでは植込んだ機器の定期的な電池交換が必要だが、機器の具体的な電池寿命を予測するスマートバッテリー機能により、電池交換の計画が立てやすくなると考えられる。
問い合わせ先=日本メドトロニック コミュニケーション本部
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