日本放射線腫瘍学会/第27回学術大会概要を紹介
日本放射線腫瘍学会(JASTRO)は、12月11日~13日にパシフィコ横浜(横浜市)で第27回学術大会を開催する。テーマは「臨床腫瘍学に基づく放射線療法の標準化から個別最適化へ」。大会長は早川和重氏(北里大)が務める。
同学会は、11月7日、大会概要と学会活動を紹介するプレスカンファレンスをパレスサイドビル(東京・千代田区)で行った。 冒頭、JASTRO理事長の西村恭昌氏(近畿大)が挨拶。粒子線治療施設のあり方や医学物理士の国家資格化、京都で開催される「ICRR(国際放射線研究会議)2015」について説明し、「放射線治療医の数は昨年1000人を超え、着実に増えている。現在放射線治療を受けている患者は約30万人いるが、もっと受けられる人数を増やせるように、専門医を育てていく必要がある」と語った。
大会長の早川氏は、学術大会の概要を説明し、「最近は、多くのがん診療ガイドラインに標準的な放射線治療法が記載されるようになった。また、新しい手術主義や分子標的薬なども登場し、集学的治療のあり方も変化している。今回は他学会の協力を得て、各臓器がんの生物学的・臨床的特徴に基づく治療方針について、外科医や腫瘍内科医と討論できる場を設けた」と述べた。
笹井啓資氏(順天堂大)は、「放射線治療の普及への日本放射線腫瘍学会の取り組み」を広く紹介し、学会としての意見ではないとしながらも、「放射線科専門医受験の履修要件の大部分は放射線診断関連と基礎・管理・安全であり、治療に関わる項目は5%程度しかない。また、放射線治療は腫瘍学の一部門でもあり、その教育において、外科腫瘍学、腫瘍内科学、緩和医療などをもっと理解する必要がある」と語った。