富士フイルム/粘膜の診断をサポートする内視鏡システムを発表
富士フイルムは、10月14日、新世代内視鏡システム「LASEREO(レザリオ)」の新製品「EG-L580NW」および、消化管粘膜の観察時に診断をサポートする新しい画像処理機能「LCI(Linked Color Imaging)」の販売を発表した。
今回、発売される上部消化管用経鼻内視鏡「EG-L580NW」は、鼻から内視鏡を挿入することで嘔吐反射による嘔吐感を軽減、照明光のバランスを見直すことで画面周縁部までより明るい画像の提供、視認性の向上を果たした。さらに、「LASEREO」用に新たに開発された特殊光色彩強調機能であるLCI(Linked Color Imaging)」を利用することができる。 同機能は、「LASEREO」の持つ「白色光観察用レーザー」と「狭帯域光観察用レーザー」の2種類のレーザーを利用し、白色光観察用レーザーで画面の明るさを保ちながら、重ねて照射する狭帯域光観察用レーザーで粘膜内の血液のコントラストを高めた画像に対し赤色領域の色分離がよくなる画像処理を行うもので、粘膜のわずかな色の違いを強調させ、炎症の診断をサポートできる。
発表の場で春間 賢氏(川崎医大)は、「微小ながん発見には、微細な凹凸と色の違いを見極めることが重要。新たに搭載されたLCIは、その強力なツールとなり得る」と語った。
また、加藤元嗣氏(北大)は、「胃の粘膜の診断は、熟練の医師でも難しかったが、LCI導入により、客観的に診断することが可能となる。今後は、LCIも胃・十二指腸の内視鏡スクリーニングに使われるようになると期待する」と述べた。