HOSPEX Japan 2014/医療機器・病院設備展示に来場者は2万人を超える
病院/福祉機器展示に関する展示会「HOSPEX Japan 2014」(主催:日本医療福祉設備協会/日本能率協会)は、11月12~14日の3日間、東京ビッグサイト(江東区)で開催された。来場者は前回より4143人増となる総計2万1827人と盛況だった。
会場は「医療機器」「建築・設備・エンジニアリング」「医療情報・ITシステム」の3ゾーンで構成。集中展示コーナーでは、介護ロボットのデモが行われ、移乗(装着・非装着)、排泄、見守りなど各分野におけるロボットの開発の姿が来場者に示された。
展示会会場では、診療報酬改定・地域包括ケア等をテーマにした「医業経営セミナー」や在宅医療・慢性期リハビリ・地域包括ケア病棟・環境と認知症等をテーマにした「慢性期医療セミナー」などが開かれた。
14日に行われた医療・福祉機器開発テクノロジーセミナーでは、加納 隆氏(埼玉医科大)が、「今ある技術の連携システム―建設会社と医療機器メーカの連携事例」を講演。実際の連携事例を紹介し、連携コーディネータの重要性を述べた。
また、川嶋健嗣氏(東京医科歯科大)は「空気圧による超精密制御技術を活用した低侵襲手術支援ロボットシステムの開発と、産学官連携によるビジネス展開」を講演。同システム開発の経緯および留意点について語った。
第43回日本医療福祉設備学会は、11月12~13日の2日間、東京ビッグサイトの会議棟で開催された。大会長は辻 吉隆氏(竹中工務店)で、学会テーマは「超高齢社会を支えるヘルスケアエンジニアリング-高齢患者とスタッフに優しい医療福祉施設の建築・設備のあり方とは」。
「病院管理と建築設備の未来を問う」をテーマに、星 北斗氏(星総合病院理事長)が講演を行った。自らの病院が東日本大震災によって被害を受けた後の病院再建の道のりや病院建築のあり方、さらにはこれからの病院の方向性にまで話が及んだ。その中で星氏は、病院建築について「病院建て替えは、病院にとって業務改善の絶好の機会であり、次世代の医療の姿を示すことになる。施主は明確なシナリオを持って建築に臨むべきだ」と述べた。
医療電磁環境研究会・日本医療福祉設備協会共催セッションでは、「指針改定によって何が使えるのか-医療ICT化のための基盤整備」をテーマに花田英輔氏(佐賀大学病院)が講演し、「医療ICT化の進展は必至であり、移動体通信・無線LANの活用は避けては通れない。ICTは単に導入を図るだけではだめで、安全安心に活用できる環境を保つためのルールの構築と維持を図った上で導入すべきだ」と述べた。
次回のHOSPEXは、2015年11月25~27日、東京ビッグサイトにて開催する。