シーメンス/RSNA 2014 Flash Seminar
シーメンス・ジャパンは、2014年12月21日、ベルサール飯田橋(東京・千代田区)において、「RSNA 2014 Flash Seminar」を開催した。このセミナーは、2014年11月30日~12月5日に開かれた第100回北米放射線学会(RSNA 2014)で発表されたシーメンスの新製品や最新テクノロジーについて紹介するもので、12月13日から1月17日にかけて全国9ヵ所(札幌・福岡・大阪・仙台・東京・金沢・名古屋・新潟・岡山)で順次開催された。
東京会場では、帝京大学医療技術学部診療放射線学科教授の岡本孝英氏が座長を務めた。
同社東日本営業本部 執行役員本部長の清水敏之氏が冒頭の挨拶でRSNA 2014のシーメンス・ブースの概要を紹介。「シーメンスの今年のブース・テーマは昨年同様“Answers for life”とした。これは医療機関が抱える課題に対して、シーメンスのさまざまなリソースを駆使して幅広いソリューションを提供することを表した」と述べた。
セミナーでは、はじめにRSNAのトピックについて2名の識者が講演した。まず、クリニカルレポートとして、東京慈恵会医科大学放射線医学講座教授の福田国彦氏がビデオで講演。福田氏は「今年は100年の歩みを振り返る企画が多かったが、印象に残ったのは医療の質と安全に関するセッションだった。また、展示された次世代の新しいモダリティは、装置というよりはむしろBig Dataを活用した画像解析技術であり、中でも3D Printingが印象的であった」と述べた。
次にテクニカルレポートとして、国立がん研究センター東病院放射線診断科技師長の村松禎久氏が講演。村松氏が注目した「Lung Cancer Screening」と「Dose Management」、「Dynamic Bow-tie Filter」に関するセッションおよびその内容について説明した。
RSNAのトピックに引き続き、Ultrasound、X-ray Products、Angiography&Interventional X-Ray、Imaging IT、CT、MI、MRIの各モダリティ分野に関するシーメンス製品のトピックスが報告された。
まずUltrasoundについては、新製品「ACUSON X600」などの装置に関する新しいソリューションを説明。また、RSNAの展示会場では、前立腺検査に対応する「Men’s health」のコーナーを設けたことを紹介。さらに、ケーブルレス超音波診断装置「ACUSON Freestyle」の最新バージョンについて説明した。
X-ray Productsの分野では、FDとX線撮影装置の機能だけでなく、運用性や臨床効果にフォーカスした機能を紹介。さらに、最新のワイヤレスFD対応フルオートX線撮影装置「Ysio Max」等が紹介された。
Angiography&Interventional X-Rayの分野では、「Artis zee」の後継機である「Artis zee PURE」を中心に、同装置に搭載されたさまざまな新機能について説明。
Imaging ITの分野では、同社の読影支援用高度解析アプリケーション「syngo.via」、ルーチン読影に特化したPACS「syngo.plaza」の最新版に搭載された新たな機能3D+について紹介した。
CTでは、2014年の「Best New Radiology Device」を受賞した(米国の放射線関連情報サイトであるAuntMinnie.comにて)2管球タイプのフラッグシップCT「SOMATOM Force」と、最新テクノロジーとしてRoutin True Dual Energyを1管球で実現する「TwinBeam Dual Energy」技術を紹介。
MIの分野では、2014年12月に発売を開始した最新型SPECTである「Synbia Evo Exel」を中心に最新トピックを説明した。
MRIの分野では、2014年12月11~13日に横浜市で開催された日本放射線腫瘍学会第27回学術大会でも展示された放射線治療用MRI「MAGNETOM Combi Suite Radiation Therapy-RT Pro Edition-」や前立腺がんのクリニカルワークフローを意識したアプリケーションについて紹介した。
座長の岡本氏は、最後にセミナーを総括し「画像を融合して治療に応用する方向性が明確になってきた。私たちユーザー側は積極的に情報を得ていく必要性があり、RSNAは世界で真っ先に情報が発信されるので、できるだけこうした情報を積極的に得ていきたい」と述べた。
セミナーで取り上げられたこれらの製品や技術の多くは、4月17日~19日にパシフィコ横浜展示ホールで開かれる2015国際医用画像総合展(ITEM 2015)にも出展される予定である。