NEC/医療セミナー2015
毎年恒例のNEC医療セミナーが、2月13日に東京会場(東京都港区、NEC本社ビル)、2月20日に大阪会場(大阪府大阪市・ホテルニューオータニ大阪)で開催された。セミナーは、両会場ともに2つの講演と展示会で構成。
東京会場では、同社医療ソリューション事業部・事業部長の中家章雄氏が、開会挨拶に続き情報分野への取り組みについて語った。同氏は「電子カルテシステムの機能を引き続き強化し、併せて各種団体が進める標準化にタイムリーに対応する基盤を固めていく」と今後の抱負を述べた。
松村 一氏(東京医科大)は、「NEEDSからはじまる病院情報戦略~東京医科大学の病院情報化プロジェクトと今後の取り組み~」を演題に講演。同氏は「昨今の病院情報システム構築には院内ニーズを分析し、どのようなシステムを入れていくかを考える“上流工程”の視点が重要」と指摘。この考えを基軸とした同院での電子カルテ導入のポイントなどについて述べた。
副島秀久氏(済生会熊本病院)は、「PDCAサイクルを加速する革新的バリアンス収集・分析システムの開発」を演題に、同院とNECが開発したパス分析システム「NECV(Novel Electoronic ClinicalPathway Viewer)の概要や臨床効果等について講演。同氏はNECVを「電子カルテへの記録により自動的にDBを生成。二次利用として、表示データをエクセルやCSVで出力し分析するシステム」と説明。電子パスからデータ収集するためのルール遵守やバリアンス収集・分析の具体的手法など、システムの活用に必要な要件について述べた。また、同システム応用で期待される臨床効果に関して「医療の質改善の高速化」や「多施設大規模臨床試験の実施」などを挙げた。