島津製作所/第92回レントゲン祭
島津製作所は、2月10日、本社(京都市中京区)にて、第92回レントゲン祭を開催した。同祭はレントゲン博士を偲び、新技術発展に向けて決意を新たにするために、他界した1924年から命日に開催している。
鈴木 悟取締役医用機器事業部長は、式辞でX線発見から僅か10ヵ月で二代目島津源蔵氏がX線写真撮影を成功させたことを嚆矢とする今までの同社のX線関連事業への取り組みを紹介するとともに、「昨年、X線テレビシステムSONIALVISION G4に骨密度測定アプリケーションSmartBMDを搭載した(オプション)。これは、1つのシステムで2つの薬事認証を受けた日本初の機器だ。また、当社のPET技術をもとにNEDOの開発助成を受けて、乳房専用のPET装置Elmammoを開発、9月にリリースした」と昨年の代表的成果を報告した。続いて、中本 晃社長が祭詞を述べた後、レントゲン博士の遺影に献花を行い、祭事を終了した。
なお、同祭では2名の演者による記念講演会が設けられた。
三品幸男氏(同社医療機器事業部)は、「島津製作所の放射線治療分野への取り組み」を演題に講演。冒頭「昨年から始まった中期3ヵ年計画では、治療関連事業をX線機種の第4の柱に育てるべく努力している」と述べた後、放射線治療用動体追跡システムSyncTraX、粒子線治療装置用位置決めシステム、小線源治療装置用位置決め支援システム等を解説した。
須賀大作氏(兵庫県立粒子線医療センター)は、「粒子線治療の最新動向について」を演題に講演。兵庫県立粒子線医療センターの歩み、国内粒子線施設の現状、新陽子線治療装置の開発について述べた後、「建物の省コスト化、加速器の小型化および新技術による省スペース化、加工できる放射線と画像システムの有効利用、治療適応の拡大、そして日本の技術力を如何に世界に発信していくか」を課題として示した。