臨薬協・AMDD共催セミナー/新興・再興感染症の現状と課題をレクチャー
日本臨床検査薬協会と米国医療機器・IVD工業会(AMDD)は、4月14日にTKP東京駅八重洲カンファレンスセンター(東京・中央区)で、「感染症の脅威から日本を守るには-新興・再興感染症対策の現状と課題」セミナーを開催した。
日本臨床検査薬協会会長の寺本哲也氏は開会挨拶で、同協会は臨床検査薬の認知度を高めるためにこのようなセミナーを通じ、最新の臨床検査の内容を紹介しているとし、「少子高齢化が進む中で国民の健康に対する意識が高まっており、臨床検査の役割や責務は重要な課題になっている」と語った。
続いてセミナーが行われ、講師の大曲貴夫氏(国立国際医療研究センター国際感染症センターセンター長)は、「感染症の脅威から日本を守るには-新興・再興感染症対策の現状と課題」を講演。世界的に流行しその拡大が危惧されたH7N9インフルエンザ、中東呼吸器症候群(MERS)、エボラ出血熱などの新興感染症や日本で70年ぶりに国内感染が報告されたデング熱の例を挙げ、その背景や特徴、対策の現状と課題、拡大防止への包括的な取り組みの重要性を語り、つぎのように述べた。「医療の安全対策が進み、『防護服を脱ぎ着する時にエラーが起きる』ことが一般的に認知されるようになってきた。ヒューマンエラーを起こさない体制をつくるために、バディシステム(ペアでチェックし合うシステム)が確立された。感染対策はいろいろなものを付けたり着たりすれば成功すると考えがちだが、それは危険な考え方であり、バディシステムのような実際的な方法を対策に導入することが重要になる」。
最後に米国医療機器・IVD工業会理事の坂本春喜氏が挨拶。「我々医療業界に携わる者も含めて、正しい情報をできるだけ早く伝えることが大切。今回のようなセミナーを通して、これからも専門の先生に正しい最新の情報をいただける機会を提供していきたい」と語った。