検体測定室連携協議会/「検体測定室」普及で生活習慣病発症の抑制目指す
検体測定室連携協議会は、5月27日にトラストシティカンファレンス(東京・中央区)で「検体測定連携協議会設立記者発表会」を開催した。
厚生労働省が臨床検査技師法に基づく告示の改正を公布したことで、2014年4月1日より簡易血液検査(自己採血による生化学検査)が薬局等でもできるようになった。
「検体測定室」は、指先から自己採血することで生活習慣病予備軍のスクリーニングができる施設のことであり、薬局、ドラッグストアが主なる設置場所となる。セルフケア意識を高めて、健康診断や医療機関の受診につなげ、その結果、糖尿病等の生活習慣病の早期発見早期治療を行うことで、重症化の予防が期待できる。
同協議会は、現在全国に約1000ヵ所ある検体測定室のさらなる普及、定着を目指し、有識者および実践者が連携、協議して必要な情報発信を行う目的で設立された。
同協議会委員の上原 明氏(日本一般用医薬品連合会会長)は、同協議会の設立主旨を説明し、「自分の健康状態を知ることは、自分の健康を自分で守るための第一歩。その手伝いをしたい」と述べた。
江崎禎英氏(経産省ヘルスケア産業課長)は、「検体測定室 新産業創出の視点から」を講演。「日本の検査技術は精度が高い。輸出し、さらに向上することで、産業としても育つし国民の健康にも貢献する」とした。
同協議会座長の矢作直也氏(筑波大)は、検体測定連絡協議会の役割として、開設支援、質の担保、アナウンスの3つを挙げ、「情報を整理して発信し、検体測定室が増加して地域医療の中に根付いて機能するようにしたい」と語った。
川渕孝一氏(東京医科歯科大)は、医療経済学者の立場から講演。「薬局を『健康の水先案内人』にしたい。検体検査室が生活習慣病の早期発見につながり、日本が健康的に老いる国になることを期待する」と述べた。