キヤノンメディカルシステムズ/新たなデュアルエナジー技術「Spectral Imaging System」 をADCTに搭載
キヤノンメディカルシステムズは、新たなデュアルエナジー技術「Spectral Imaging System(スペクトラル イメージング システム)」を搭載可能なエリアディテクターCT Aquilion ONE / GENESIS Editionの国内販売を、2019年6月1日より開始した。
デュアルエナジーは、管電圧の異なる2種類のX線を用いてCT撮影する技術で、今回搭載される「Spectral Imaging System」により、従来のCT画像と比べてアーチファクトの低減やコントラスト向上等の画質改善効果が得られるとともに、仮想単色X線画像の作成や、様々な物質の弁別が可能となる。「Spectral Imaging System」は、独自の撮影技術「Spectral Scan」と再構成技術「Spectral Reconstruction」から構成されている。
なお、同技術はオプション販売となる。
撮影技術「Spectral Scan」
1回のスキャンにおいて、高低2種の管電圧を高速で切り替えての撮影(Rapid kV Switching)および自動照射制御(Auto Exposure Control: AEC)との併用が可能な撮影法である。寝台の天板移動無しで最大160mmの撮影ができる「Spectral Volume Scan」と、最大80mmの幅で天板を移動しながら連続回転して撮影できる「Spectral Helical Scan」に対応し、体型や部位に合わせて適切な撮影モードの選択と線量調整を行うことができる。
再構成技術「Spectral Reconstruction」
ディープラーニングを用いて設計された画像再構成法である。「Spectral Scan」によって得られた投影データ全てを活用し、物質情報に基づくCT画像を作成する。「Spectral Reconstruction」により、物質弁別画像の生成とノイズ低減効果が得ることができる。
「Spectral Imaging System」をエリアディテクターCTに搭載することで、最大160mmの範囲を天板移動無しで撮影することができる。また、従来のkV Switching方式では困難とされていたAECを併用することができ、不要な照射を抑え撮影線量の最適化が可能である。さらに、医用画像処理ワークステーション 「Vitrea VWS-001SA」に搭載される専用の解析ソフトウェアを用いることで、実効原子番号や電子密度測定等、より高度な解析も可能となる。