セント・ジュード・メディカル/心臓手術用ナビゲーションシステムを発表
セント・ジュード・メディカルは、8月5日に杏林大学医学部付属病院にて、心臓手術用ナビゲーションシステム「MediGuide」テクノロジーの記者視察発表会を行った。
同システムは、心臓手術中の患者と医療従事者の被ばく低減、および正確なカテーテル操作を支援する3次元ナビシステム。事前録画したシネ画像をループ再生し、その画像上に専用カテーテルの位置等を自動的に重ね合わせながらカテーテルを操作することでX線透視の時間を短縮し、患者と医療従事者のX線透視に起因する被ばくを抑制するという。なお杏林大学病院は、日本で初めて同システムを導入した施設である。
発表会では冒頭、似鳥俊明氏(杏林大)が、「医療被ばくと新しい低減化技術」について講演。同氏は、「『MediGuide』テクノロジー導入の主目的は、IVRによる医療被ばくの低減にある」と指摘した上で、「冠動脈や腎動脈、下肢動脈など、多様なIVRへ応用できる点が同システムの特長で、患者の被ばく低減に大いに役立つと期待している。事実、当院での不整脈治療9例(※視察発表会以前の症例数)においては、被ばく線量が従来比で8分の1に抑えられた」と述べた。
続いて副島京子氏(杏林大)が、「不整脈治療における放射線被ばく軽減の重要性」、フィリップ・ソマー氏(ライプチヒ大学心臓病センター)が、「MediGuideテクノロジーの紹介」について講演。その後、セント・ジュード・メディカル日本代表の笹井英孝氏が、同社の製品戦略と同システムの概略について述べた。視察発表会後、「MediGuide」テクノロジーを採用した同院の手術室が公開された。