シーメンス・ジャパン/「SOMATOM Symposium 2015」
シーメンス・ジャパンは、8月29日、TKPガーデンシティ品川(東京・港区)で「SOMATOM Symposium 2015」を開催した。同シンポジウムは、同社のCTに関する最新の技術と臨床応用について紹介するもので、今年で7回目になる。
開会に際して挨拶に立ったモデレータの内藤博昭氏(国立循環器病研究センター病院)は、「2015年はシーメンスのCTにとって意味のある年。シーメンス初のCT『SIRETOM』が登場してから40年、Dual Sourece CT『SOMATOM Definition』が発表されてから10年が経つ。CT開発の最先端を走るシーメンス製CTのユーザーから最新の臨床経験が報告されるので、ぜひ臨床につながる知見を得てほしい」と述べた。
同シンポジウムは、3つのセッションで構成され、セッション1では、CT撮影のテクニックや臨床的ベネフィットを競う「CT Image Contest 2015 Japanese Edition」が行われた。
今年は昨年度の7部門に加え、「Neuro」「Emergency」「Exceeding Expected Performance」の3部門が追加され受賞者がプレゼンテーションを行った。コンテストの受賞者は下記の通り。
《General》香川清澄氏(神戸大病院)
《Cardio-Vascular》佐藤和宏氏(東北大病院)
《Neuro》岡林 宏氏(高知医療センター)
《Oncology》加來直樹氏(北九州市立医療センター)
《Dual Energy》住田幸寛氏(津島市民病院)
《Pediatric》南 汐里氏(金沢医大病院)
《Emergency》香川清澄氏(神戸大病院)
《Technical》和田 彬氏(愛媛県立中央病院)
《Exceeding Expected Performance of 20-64MSCT》和田貴人(回生会宝塚病院)
《Best Overall》谷 和紀子氏(神戸大病院)
セッション2「Latest Stories in Single Source CT」では、同社の1管球CTの最新技術が紹介された。
堀越浩幸氏(群馬県立がんセンター)が、「TwinBeam Dual Enegy」と題し、64列CT「SOMATOM Difinition Edge」を用いたシングルソースCTによるDual Enegy画像の有用性について説明した。
高木英誠氏(仙台市立病院)は、「Advanced Visualization System syngo.viaを用いたoncology画像診断」と題して講演し、syngo.viaの新しいアプリケーション「Monoenergetic Plus(仮想単色X線画像)」「Lung CARE(コンピュータ補助)」を中心に、syngo.viaによる画像診断のメリットを紹介した。
上本賢司氏(都島放射線科クリニック)は、放射線治療計画用CT「SOMATOM Definition AS Open」を使ったがん放射線治療への臨床現場での活用の実際について紹介した。
セッション3「Latest Stories in Dual Source CT」では、2管球CT「SOMATOM Definition Flash」、「SOMATOM Force」の有用性について、各2名の循環器内科医および放射線科医が講演した。
はじめに循環器内科医の立場から、中森史朗氏(三重大)が、「SOMATOM Definition Flash」を用いた「包括的CT検査」について説明。1回の検査で冠動脈狭窄の有無、心筋虚血、心筋梗塞の評価ができるなど、同CTを用いた心臓CT検査の有用性を強調した。
上野博志氏(富山大)は、TAVI(経カテーテル大動脈弁植え込み術)のための造影CT検査において、「SOMATOM Force」を用いたLow kV撮影の低侵襲性について説明した。 後半は、放射線科医の立場から本田憲業氏(埼玉医大)が、「SOMATOM Definition Flash」を用いた肺血流・換気イメージングとしてキセノンガスを用いた検査法について解説し、その有用性を紹介した。
最後に高橋 哲氏(神戸大)が、泌尿器疾患における「SOMATOM Force」の有用性をさまざまな臨床上のケースを取り上げて紹介した。
セッションの最後には、ゲストであるJoseph Schoepf氏(米サウスカロライナ医大)が講評を述べた。
次回となる「SOMATOM Symposium 2016」は、2016年8月27日に、今回と同じTKPガーデンシティ品川で開催される予定である。