GEヘルスケア・ジャパン/ヘルシーマジネーション・カレッジでデンスブレストを解説
GEヘルスケア・ジャパンは、9月30日に日本GE(東京・港区)で、世の中で関心を集めている医療テーマについて専門家を招き最新の情報を伝える「ヘルシーマジネーション・カレッジ(第12回)」を開催した。テーマは「『乳癌診療ガイドライン』改訂から探る乳癌検診の現状と課題~転機を迎える乳がん検診と超音波検診の有用性」。
開催に当たり、同社チーフ・マーケティング・オフィサーの伊藤久美氏は、「GEヘルスケア・ジャパンの女性医療の取り組み」を紹介した。「今回のキーワードは『デンスブレスト(高濃度乳腺)』である。乳腺濃度が高いとマンモグラフィで白く写ってしまい、石灰化が見つかりにくい。50歳未満のアジア人女性の約80%が該当するのだが、日本における『デンスブレスト』の認知度は低い。GEでは、検診も全員一律ではなく、ハイリスクやデンスブレストなど、1人ひとりのリスクに応じた個別化検診への流れを創っていきたいと考えている」。
戸﨑光宏氏(さがらブレストピアヘルスケアグループ乳腺科部長)は、「2015年7月の『乳癌診療ガイドライン』改訂で、50歳以上に対するマンモグラフィ検診の推奨グレードがAからBに変更されたが、その理由は『過剰診断』と『デンスブレスト』である」ことを挙げた。また、米国における「Are You Dense?」の活動により、州によっては高濃度乳腺の女性に対してマンモグラフィの乳腺濃度を知らせる法律が制定されていることを紹介した。
さらに、「乳がん検診における超音波検査の有効性を検証するための比較試験」(J-START)の取り組みや、今回の改訂で新規追加されたトモシンセシスへの期待、遺伝性の乳がんに対するMRIスクリーニングおよびMRIガイド下生検の重要性にも触れ、「乳がん検診についての新情報が出るとつい飛びついてしまいがちだが、常に正しい情報を知って、広めてほしい」と語った。