大船中央病院放射線治療センター/IMRT専用リニアックを増設、内覧会を実施
社会医療法人財団互恵会大船中央病院放射線治療センターは、放射線治療室増設工事が完了し、Varian社製の最新型IMRT専用装置「Halcyon(ハルシオン)」の国内1号機が導入された。同センターは、3月16日、新しい放射線治療装置室の開室記念式典および内覧会を開催した。
開室記念式典では、冒頭、大船中央病院院長の須藤 博氏が挨拶し、「当院の放射線治療センターは、放射線治療における国内のトップランナーと自負する。大きな投資であるが、放射線治療センターには大きな実績があり、また、『Halcyon』は、治療時間を短縮し、精度の高い治療を実施することが可能であるなど、それだけの価値がある装置である。内覧会を通じて装置の有用性を広く知っていただき、また、今後は患者さんに役立てたい」と述べた。
次に放射線治療センター長の武田篤也氏が「放射線治療センターは2004年に開設以来、2011年に2号機を導入し、順調に治療実績を伸ばしてきた。そして今回3号機として『Halcyon』導入となった。当院は、オリジナルの治療法に取り組んでおり、それによって高い治療成績と安全性を示している。肺がんと肝臓がんの定位放射線治療においては、世界をリードする施設と自負している。『Halcyon』は、全く新しいスタイルの放射線治療装置で、本装置が国内1号機となる。この装置の特長を生かして新たな治療法を生み出し、より良い医療を提供していきたいと考えている」と抱負を語った。
来賓として衆議院議員/外務副大臣を務めるあべ俊子氏と、衆議院議員の山本ともひろ氏が挨拶した後、上記4氏によるテープカットが行われた。
内覧会では、多くの来場者が新しい放射線治療室を見学。最新型放射線治療装置「Halcyon」はIMRTに特化した放射線治療装置で、効率的で、より短時間にIMRTを実施することが可能としている。また、放射線治療室の放射線遮へいには、従来の鉄板やコンクリートではなく、医療用としては世界初となる放射線遮へいセラミックス煉瓦「RASHIX(ラシックス:三石耐火煉瓦社)」を使用。「RASHIX」は、地上配置型核シェルターにも使用できるほどの強度と遮へい能力を持ちながら、環境にも配慮した全く新しい素材であり、同治療室の省スペース設計実現の鍵となった素材である。
同センターでは、3月18日より同治療室での治療を開始するとしており、肺がんや肝臓がんへの照射に加え、乳がんの術後照射などへの利用を検討しているという。