第5回JIRA画像医療システム産業研究会/精神疾患の予防・診断・治療への機器の可能性を講演
一般社団法人日本画像医療システム工業会(JIRA)は、12月9日、日中友好会館(東京・文京区)にて、「第5回JIRA画像医療システム産業研究会」を開催した。同研究会は、JIRA会員および医療・行政等の関係者による画像医療システム産業発展のための情報交流・意見交換を目的に毎年1回開催される。
今回のテーマは、「精神疾患(認知症、うつ病)の予防と診断と治療~画像診断とロボット技術の応用~」。
開会に際し、JIRA会長・小松研一氏の挨拶に続き、同研究会座長の和迩秀信氏(JIRA理事)がテーマ選定の背景について説明した。
講演は3テーマ別に演者1名が登壇。「認知症の画像診断」のテーマでは、松田博史氏(国立精神・神経医療研究センター)が「CT、MRI、PET、SPECTによる認知症画像診断の最前線」について論じた。MRIは、早期アルツハイマー型認知症診断支援システム「VSRAD」、PETは、アミロイドPETおよびタウPETの診断・研究における到達点を中心に語った。
柴田崇徳氏(産業技術総合研究所)は、「認知症の予防と治療」について講演。「ニューロロジカル・セラピー用ロボット・パロによる非薬物療法とその科学的エビデンス」を演題とし、脳の正常部位の活性化により認知症の症状改善を目指すアザラシ型ロボット・パロの国内外での使用事例を紹介。今後の展開については、「国内外施設での臨床実験・治験による科学的エビデンスの蓄積とともに、運用面では適切な使い方ができる人材育成が重要になる」と述べた。
「うつ病の画像診断」がテーマの講演では、福田正人氏(群馬大)が、「光トポグラフィー検査(NIRS)による抑うつ状態の鑑別診断補助」と題した講演の中で、保険診療としてのNIRSの動向および、うつ病のNIRS研究の現況などについて語った。